「壁」を崩す必殺技(1)「相談を持ち掛ける」
ニケ 出た! ジジイの壁! でも、「一角を崩す」って、何だか弱気じゃないですか?
カワイ 本当は全部崩したいけど、ジジイの壁はベルリンの壁よりも強固なので、すべてを倒すのはムリ。でも一角だったら何とかなります。それでも相当の体力と気力と時間がかかるけど、それでも知りたい?
ニケ もちろんです!
カワイ はい、分かりました。ジジイの壁の一角を崩すには「点ではなく面で攻めろ!」 です。
ニケ 面?
カワイ 28歳会社員さん、まずは仲間づくりをしてください。
ニケ うふふ、ニケ、分かっちゃいました。つまり、同じように「若手の意見を聞いてほしい」と不満を抱えている仲間を集めて、大勢で攻めろってことですね? 点ではなく面!
カワイ その通りです。前提として、若手の意見をないがしろにするオジさんは、決して悪人ではありません。若手を伸ばしたい、若手に伸びてほしい、会社の次世代の担い手になってほしいという気持ちは持っているの。
ニケ え~、本当ですか~?
カワイ はい、本当です。でも、その一方でオジさんたちも、若手がそうであるように「自分に敬意を払ってほしい」という願望はあるから、つい「若いやつが偉そうなこと言うな!」的発言をしてしまうの。
ニケ なるほど。オジさんは「最近の若者は年長者をバカにしとる!」って思っている可能性があるってことですね?
カワイ その通りです。そこで仲間と一緒に「ちょっとご相談があります」とオジさんにお願いすることから始めてください。
ニケ 「相談がある」って、何か頼られてるみたいで、オジさん喜ぶかも。
カワイ でしょ? 後輩や部下に頼られて、気分を害する人はいません。
ニケ 攻撃その1「相談に乗って! とお願いする」。
カワイ そこで「実は私たち20代も、こんなことを考えているのですが、経験豊富な先輩社員にうまく伝えるにはどうしたらいいでしょうか?」と切り出してください。
ニケ ふむふむ。なるほど! オジさんを第三者にしちゃうんですね! そうすれば「自分が若手の意見を聞いていない」ではなく、「若手の意見が通りづらい空気がうちの会社にはある」と、オジさんは受け止めることができる!
カワイ その通りです。人は自分が攻められていると感じると反撃したくなるけど、「お知恵を貸してほしい」と相談されると「ひと肌脱いでやるか」という気持ちになる。
ニケ 案外、簡単ですね!
カワイ でも、それだけだとオジさんは動きません。例えば「私たちのこういう考え方はどうだと思いますか? 未熟な意見だとは思うのですが……」と、若手の意見についての意見をもらってください。
ニケ ふむふむ、なるほど! 単にうまく伝える方法だけじゃなく、伝える内容のブラッシュアップにオジさんの意見を入れちゃえば、オジさんも当事者意識を持てるってことですね。
カワイ そうです。オジさんも若手に「自分の意見を聞いてほしい」と思っているから、そこを突っつく! の技なり~。
ニケ いいっすね。案外、効果高いかも!
カワイ (苦笑)でも、そこで終わってはダメ。もう一歩攻めます!