セクハラが明るみに出たときの企業リスクは大

ニケ うわぁ! 気持ち悪い~!

カワイ デキる秘書ほど、かゆいところに手が届くし、至れり尽くせりですから。奥さんと勘違いしてしまうのよね。

ニケ そ、それって、ま、まさか……疑似恋愛?

カワイ そういうおっちょこちょいのオジさんも、中にはいるかもしれないわね。

ニケ ってことは、この場合「私は奥さんじゃありませんよ!」と言えばいいのでしょうか?

カワイ それでよろし。

ニケ でも、「女房には怖くてこんなこと言えないよ」とか言われちゃうかも。

カワイ そしたら「では、奥様には私からお伝えしておきますね!」って切り返せばよろし。

ニケ きえ~。オジさんの身の毛もよだちますね!

カワイ 何か変な日本語ですけど、「セクハラをセクハラにさせないコミュニケーション術」が、時には役に立つことがありますから、トライしてみてほしいです。

ニケ ちょいちょいワンクッションコミュニケーション術で突いておいて、イエローカード! ってことですね。

カワイ はい、その通りです。そもそも企業で役員をしている人たちであれば、セクハラが明るみに出たときのリスクは分かっているはず。それを想起させるようなフレーズを端々に入れてみてもいいわね。

ニケ なるほど! では、次の可能性は?

カワイ その3「俺たちは何をやっても許されると勘違いしている可能性」。

ニケ ハリウッドの大物プロデューサーみたいなやからですね!

カワイ そうです。企業でもありますよ。米国のウーバーでも問題になりましたよね。

ニケ ウーバーって、配車サービスのあのウーバーですか?

カワイ そうです。事業は先鋭的で素晴らしかったけど、社内は健康的ではありませんでした。そのことが表沙汰になって、20人を超える社員が解雇されたのよね。

ニケ 20人! すごっ!

カワイ 社内には、当時のCEOで創業者のトラビス・カラニック氏と親しい「Aチーム」と呼ばれる人たちがいたの。Aチームは社長がお墨付きを与えたハイパフォーマーたち。人事部も手を出せず、黙認するしかなかったそうよ。

ニケ きえ~。成果主義もそこまでいくと怖いですね。日本とレベルが違う気がする。

カワイ レベルが違っても、セクハラされた女性が傷つくことに変わりはないですよね。

ニケ 確かに。37歳秘書さんのケースはどうなんでしょうか?

カワイ 何とも言えないけど、ウーバーのようなタイプだと、コミュニケーションスキルだけじゃ太刀打ちできない。事態はかなり深刻です。