やはり子どもを産み育てることが女性の幸せ?

カワイ そうです。「女性の幸せって、やっぱり子どもを産んで育てることなんですよね?」って聞かれたの。

ニケ キエ~! セクハラ~! 子なし夫なしのスーパーシングルの薫さんにそんな質問するだなんて、無神経すぎますよ!

カワイ アッハハ、そうやって大騒ぎされちゃうから部下には聞けない。それで散々悩んだ挙げ句、私に相談したそうです(苦笑)。

 その方は、社員が「幸せだ!」と思ってくれる職場を作りたい、と頑張っていた方だったの。

ニケ で、薫さんは、その質問にどう答えたんですか?

カワイ 「そんなの分かりません!」って答えました(笑)。だって、幸せほど主観的なものはないし、「ここからが幸せです!」って境界線が引かれているものでもない。だから分かるわけがない。ただ、子どもを産んだ友人や知人から散々聞かされた、「母親になる幸せ話」や「仕事観の変化」はお話しました。

ニケ ど、どんな話? ニケも知りたいです! 未知の世界~。

カワイ 同級生の一人は、「こんなに自分のことを愛してくれる男性(=自分の息子)がいるってことに、最高の幸せを感じた!」って言ってました。彼女は学生時代は、子ども嫌いで有名だったの。その彼女が至福の表情でそう語ったときには私も驚きました。というか、うらやましかったです。あんなに幸せそうな顔、初めて見たしね。本当、子どもの力ってすごい!

 「子どもを産むまでは、仕事が一番だったけど、子どもができたら子どもが一番になった」と語っていた女性もいたし、「仕事ばかりしている自分をどうにか変えたくて、子どもを作った」って女性もいました。

ニケ うわぁ~、そっか、そういうのもアリなんですね~。

カワイ いずれにしても「出産」というイベントが、女性に与える影響はとても大きい。本人ですら「こんなに自分が変わるなんて」って驚くくらい、インパクトがある。

ニケ ってことは、相談者の方の部下にも、何らかの変化があったってことですよね。ひょっとしたら「女性初の子持ち部長になる!」ということより大切なコトに気付いて、やる気がなくなったのかも……。

カワイ う~ん、でもやる気が失せたなら、最短復帰はナシですよね。

 「仕事への意欲や出世欲が減退した」などではなく、「時間軸が変わった」だけだと思いますよ。出産するまでは時速100キロの猛スピードで走っていたけど、今は60キロくらい。100キロで走っていたときには見過ごしていた、沿道の花や空の美しさに気付いて、ちょっと戸惑っているというのが正直な気持ちなんじゃないでしょうか。

ニケ 「ワーク・ワーク」だったのが、「ワークとライフ」になって、どうバランスを取ろうか悩んでるって感じですかね。

カワイ ニケさんは、ワークライフバランスってどういうことだと思う?