男性社員の育休取得率は、会社のワークライフバランスの尺度

ニケ 出た! 薫さん、ジジイの壁、大好物ですね!

カワイ (笑)女性たちに心から頑張ってほしい、男性ももっと変わらなきゃって考えているおじさんたちも増えてきました。でも、ジジイの壁はとんでもなく高いのでそれを倒すのは容易ではない。27歳会社員さんが書いている通り、「妻が専業主婦の男性社員ばかり」だから、余計に難しいのです。

ニケ ジジイの壁、手強し!

カワイ 私がインタビューしたビジネスマンのデータだけど、「男性のケア労働参加(育児休暇や長時間労働削減)」に積極的に取り組んでいる企業のトップは、妻が働いていた人が多い。

 某銀行の頭取の妻は先生だったし、某大手電機メーカーの妻は研究者だったし。

 「共働きで仕事と育児を両立させるのに大変な思いをした」という経験が、職場に生かされていました。

ニケ いいなぁ~。ニケの会社は絶望的です。社長の自慢は「うちの奥さんは家のことしかやったことがない世間知らずなんだよ」ってデレデレしながら言うことだもん。

カワイ あくまでも私のインタビューに協力してくれた方たちなので、個人差はあると思いますよ。私の母も全く働いたことのない「お嬢さんママ」だけど、父は私が働くことに苦言を呈したことは一度もない、というか最強の応援団だったしね。

男性社員の育休取得率に注目してみよう (C)PIXTA
男性社員の育休取得率に注目してみよう (C)PIXTA

ニケ じゃあ、もし、もしも27歳会社員さんが転職するとしたら、どうやってワークライフバランシングな会社を調べればいいんですか?

カワイ 「ワークライフバランシング」(笑)。新語ね。その会社の男性の育児休暇取得率を調べてください。

ニケ たとえ5日しか取ってなくても?

カワイ もちろん、1カ月以上という男性がたくさんいればいいけど、「ハロー赤ちゃん、パパですよ~」休暇取得が進んでいるということは、変化の風は吹いているってことだし、少なくとも「女性さえ頑張ればオッケー」とは思っていない。女性が働きやすい会社を探すより確実です。

ニケ そっか。それはいい考えですね! ってことは薫さん! やっぱり、27歳会社員さんは転職したほうがいいってことですね?

カワイ それは、27歳会社員さんが決めることでしょ。ただ、辞めるのはいつでもできるので、周りとの関係性や空気をまずは探ってみてほしいな。応援してくれるおじさんたちの協力を得ながら、今の会社でパイオニアになるという選択肢もあるしね。それと並行して、男性の育休にも積極的な企業探しをすれば、転職にも会社改革にも役立ちます。

ニケ ラジャーです! 27歳会社員さん! 甘くないです! 全然甘くないっす! 結婚もしていて会社からも期待されていてニケにとっては羨ましいけど、自分の人生です! 自分の選択を信じてください!

文/河合薫 写真/PIXTA

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