自分のスイッチを押せるのは自分自身の言葉
カワイ ん? だって「挑戦」って響きがいいじゃない。なんかこう、ものすごく前向きな感じ? 今の自分より一段上を目指そうという意気込みがプンプン漂ってていいわ。
ニケ やっぱり……言葉って大切なんですね。
カワイ 言葉って自分の気持ちを乗せる「舟」みたいなものでしょ? 自分の気持ちに一番近い「舟」を選んで言葉にする。その言葉は相手に届けるものなのだけど、その言葉で自分自身ともコミュニケーションを取る。
つまりね、35歳契約社員さん自身も「挑戦」って言葉を見たとき、「よし!」って気持ちになるんじゃないかしら?
「資格を取る予定」「資格にチャレンジする予定」「資格を目指す予定」……。
ニケ なるほど! 「挑戦」という響きのほうがいいですね。確かに腹が据わった感があります。35歳契約社員さん、この言葉、トイレに貼っておいたほうがいいですよ! これを見るたびに「周りに嫉妬する自分」「気遅れする自分」に引っ張られず、勇気づけられると思います。
カワイ そうね(笑)。
ニケ 薫さん、あと、30代で3年間死ぬ気で勉強しろって言ったじゃないですか?
カワイ そうよ。人生は死ぬまで学ぶことが大事なのだけど、30代は肉体的にも精神的にも学ぶ上で一番充実してるの。結局のところ、目の前の仕事の「質」を高める以外、前に進むことはできません。
「自分の成果物」の価値を上げるべく、まい進する。
「自分にできること=学び」に励む。とにかく動く。
アレコレ考えずにとにかく動く。
自分をどうこうするのではなく、目の前の仕事を「少しでもいい仕事」にすべく努力する。
ニケ そっか。じゃ、35歳契約社員さんはまさにそれをやろうとしてるわけだから、いいんですね!
カワイ その通りです。こうやって学んでいくことは、専門用語では「人格的成長」といいます。すべての人に「人格的成長」の機能は常備されているの。でもね、スイッチは、ア・ナ・タにしか押すことはできません。
「挑戦」という言葉を使った時点で、35歳契約社員さんはスイッチを押す準備は万端だから、あとは「予定」を「する」に変えるだけです。
ニケ 35歳契約社員さん。心配ご無用。あとはスイッチを押すだけ! ニケも見習います。……えっと、その前に何をしたらいいのか……あああー。
カワイ ですからこういうときは?
ニケ ウオォー! あー、スッキリした。では、また来週!
文/河合薫 写真/PIXTA
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