「自分と対話すること」を避けないで

カワイ 相談者の方は、ご自分の覚悟がまだできていないんじゃないのかしら?

 「母から猛反発を受け、男性との交際にも踏み切れない」、「母の存在が私の進む道をふさいでいる」っていうけど、アナタの人生なんですよ!

 アナタがどう生きたいのか? 何をしたいのか? 東京で頑張りたいのか? いずれ実家に戻ろうと思っているのか? 私には、彼女が「自分と対話をすること」を避けているように見える。

 彼氏がいないのは、お母さんのせいなんでしょうか? 自分の思い通りにいかないこと、それを「お母さん」のせいにしていませんか?

 自分と向き合うのは難しいことです。でも、もう33歳。立派な大人です。

 キャリアも順調に重ねている。やりたいと思ったことをやっているんですよね? ならば、「自分の人生は自分で切り開く」という、覚悟を彼女自身が持つべきです。もちろんどんなに「自分の人生」でも、親や家族と100%切り離すことはできない。でも、少なくとも「今、どうありたいか?」その覚悟は持てるはずです。

 お母さんは、アナタの“心のゆらぎ”を感じるから、「こっちへ戻って落ち着いては?」と心配していうの。

 私の友人は30の頃からずーっと付き合っている彼をお父さんが認めてくれなかった。40過ぎても父親は反対していた。

 でも、彼女が反対されても彼と暮らし続けているのを、いつからか見守ってくれるようになった。それは「自分の娘」が彼と幸せそうにいることを、いつからかお父さんがわかってくれたからだと思います。

 私は、最近の母親との確執を声高にいう風潮が、とても悲しい。親子ですから、ぶつかり合うこともあるでしょう。厳しいことを言うこともあるでしょう。母親だって人間ですから、娘に嫉妬してしまうこともあるでしょう。

 でもね、この世の中で、自分の子どものことを思わない親はいません。少なくとも私は、そう信じています。

ニケ ……私、実は母親と結構ぶつかること多いんです。何度もウザいって思っているし。でも、今、薫さんに言われて、走馬灯のように母とのことが頭を駆け巡った。うん。うん。薫さんが言う通り、私が中途半端な気持ちでやっていたり、フワフワしてるときにウザいことを言ってる。私が一生懸命やってることは、母と考えの違うことでも、黙って見守ってくれてる……。

カワイ 相談者の方は、まずは自分と向き合ってみてください。そして、お盆で帰ったら、お母さんにその自分の気持ちを素直にぶつけてみてください。真摯な気持ちで。自分に素直に、ね。それでもうまくいかなかったら、またメールくださいね。

ニケ そうですよ! アネキが待ってますからね! 頑張れ~!

文/河合薫 写真/PIXTA

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