自分への信頼があってこそ他人との信頼関係が成り立つ

カワイ 例えば、彼氏の携帯を盗み見る女性がいるけど、なぜするのかっていうと、相手が浮気をしていないことを確かめたくてするわけでしょ? 「彼は私だけを愛している。だから浮気なんかするはずがない」という自分の思いを確かめたくて、チェックするわけです。

 それで何もなければ、「やっぱりあの人は私を愛してくれている」と安心する。すべては、自分のため。自分の気持ちを確認して、安心したいだけ。「彼を好きでいていいよ」という、確証が欲しいだけです。

ニケ 自分が自分に「大丈夫よ。彼のことを信じて」と言って安心させてあげたいだけ。だから彼との関係ではなく、自分関係なんですね。

「キツイこと言ってごめんね」と素直に言ってみる (C)PIXTA
「キツイこと言ってごめんね」と素直に言ってみる (C)PIXTA

カワイ その通りです。もし自分が「相手が浮気をしていないと信じている自分」の気持ちを信じることができれば、携帯なんかチェックする必要はない。自分を信じればいいだけです。ところがそれができない。裏切られて自分が傷つくのが怖いから相手の言動を確認したり、相手の気持ちを試すようなことをしたりしてしまうの。

 でもね、人間関係って親友であれ、恋人関係であれ、夫婦関係であれ、駆け引きではありません。相手を試すことでもなければ、相手を自分の思い通りに動かすことでもない。信頼関係は、自分の気持ち=「この人を信頼する」という自分への信頼がない限り成立しない。

ニケ ってことは……会社員さんは親友とか親友じゃないとか「言葉」に振り回されるのではなく、「自分にとって相手は大切な友人かどうか?」って自分に問いかけることが必要かも。

カワイ そうね、まずはそこからね。そして、もし「あなた」にとって「大切な人」と心から思えるのであれば、お友達に「キツイこと言ってごめんね。私、自分のことばかりで」って謝ってみたらどうでしょう? そしたらお友達も「こっちこそごめん。自分が子育て大変だからって、その話ばかりで」って言ってくれるんじゃないかな。

ニケ それでリアクションがなければ?

カワイ それはその時また連絡をくださいね。一緒に考えましょう。

文/河合薫 写真/PIXTA

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