声を出してあいさつした瞬間、心のスイッチがON

ニケ あの、今ちょっと気付いちゃったんですけど……

カワイ な、何?

ニケ 薫さんって、いつもニケの目を見て話すでしょ? 相手の目を見るっていうのも、アゲる効果がありそう。

カワイ すっごい~! ニケさん、当たり!

ニケ テヘッ。

カワイ CA時代に「お客様とお話をするときには、目線が同じ位置になるまで腰をかがめるように」って先輩CAからよく言われました。「目線が高いと見下しているように思われ、ツンケンしている印象を与えるから」って。目は口ほどに物を言う、という言葉通り、目が相手に与える印象はかなりのものなの。

ニケ そういえば、アメリカの歴代大統領が手元の原稿を見ずにプロンプター(原稿映写機)を使うのも、国民に話し掛けているという姿勢や誠実さ、親しみやすさをアピールするためなんですよね?

カワイ ニケさん、さすがです!

ニケ そ、それほどでも……(ドヤ顔)。人間関係の極意・その2「相手の目を見る」ですね!

カワイ 自分を見てくれるだけで「自分にメッセージを送ってくれた」って気がしてちょっとだけうれしい。他人の懐に入っていくのがうまい人ほど、人に視線を注ぐ傾向が高いという実験結果もあるのよ。

ニケ へ~~!

カワイ (笑)今のは共感の「ヘ~!」ね。

ニケ マジでへ~って思ったんですぅ。

カワイ それでいいのです。へ~って言ってもらえるとうれしいもん。ニケさん、ありがとう!

ニケ そ、それほどでも。お礼を言われるのも、何かうれしいですね~。

カワイ 人間関係づくりの極意・その3「ありがとうと感謝する」。ありがとうと言われて、嫌な気分になる人はいません。人間関係にコンプレックスがあると、つい「ごめんなさい」と謝ってしまいがちです。その「ごめんなさい」を「ありがとう」に変えればいいの。

ニケ 「こんな話、しちゃってごめんなさい」ではなく、「こんな話、聞いてくれてありがとう」とか。

カワイ 「時間に遅れてごめんなさい」より「待っていてくれてありがとう」とか。

ニケ 「話がヘタクソでごめんなさい」ではなく「ヘタクソな話を聞いてくれてありがとう」。何か心がほっこりしてきた!

相手の目を見て、自分の感動を素直に伝えてみよう (C)PIXTA
相手の目を見て、自分の感動を素直に伝えてみよう (C)PIXTA

カワイ その調子です。ニケさん、最もシンプルで相手との距離感を縮めるコミュニケーションって何だと思う?

ニケ う~ん、……相手を名前で呼ぶとか?

カワイ それもアリですね。答えは「あいさつ」です。気分がさえないときって、あいさつをすることすら面倒臭くなることがあるものです。口うるさい先輩や、面倒な上司だけでなく、仲のいい友達であってもどういうわけか面倒臭いときがあります。

 でも、必ず「おはようございます」と声を出してください。心はいらないから。単なるスキルだと思って、相手の目を見てあいさつする。そうするとね、声を発した瞬間に、心のスイッチが入ります。

 「今日も頑張るか~スイッチ」が押されることもあれば、相手が「おはようございます」と返してくれることで、「少しだけホッとするスイッチ」が押されることもある。昨日もめてしまった人とどう接していいか思い悩んでいるときに「おはようございます」と取りあえず声を出して、相手が「おはよう」と返してくれることで「いつも通りスイッチ」が押されることもあります。

ニケ 人間関係づくりの極意・その4「あいさつをする」

カワイ たとえ無視されたとしても、あいさつをして声を出してください。

ニケ ラジャーです! アメリカ人になって、相手の目を見て、ありがとうって言って、おはようと言う。まずはそこからですね。

カワイ はい。その上で「この人は好き」と思ったら、自分の悩みを話してみて。「将来が不安だ」って。そうすれば、すてきな友達ができると思いますよ。

文/河合薫 写真/PIXTA

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