「光が差し込んでいる」ほうへ飛び込め!

カワイ 資格は足の裏の米粒です。

ニケ へ? 何ですかソレ?

カワイ 取らなきゃ気になるけど、取っても食えない。資格を取って何をするのか? それが明確じゃないと、履歴書に書くことが増えるだけです。とりあえず資格さえとれば食っていけるなんて、幻想にすぎません。

ニケ 厳しいな~。そっか。薫さんは気象予報士の資格の取ってるから、余計そう感じるんですね。

カワイ そうです。一生懸命勉強して、気象予報士の資格取って、就職できなかった人は山ほどいるの。

 自分のことを話すのは恥ずかしいのだけど、私は「自分の言葉で伝える仕事」をしたかった。そのときに出会ったのがお天気の世界でした。ちょうど気象の自由化を2年後に控えたときで、気象予報士をいう国家資格ができることを知ったの。資格を取れば、アメリカのウェザーキャスターのように、独自の予報を出すことができる。自分の言葉で、自分の予報を伝えるには、資格が必要だった。だから気象予報士は「自分の言葉で伝える仕事」をするためのスタートに過ぎなかったの。

ニケ ってことは、相談者の方も、資格を目指すなら、何のために資格が必要かを考えないとダメってことですね。

カワイ はい。その通りです。でもね、資格取得にこだわる必要はない。今の彼女に必要なのは、毎日を「意味ある時間」にすることです。

 彼女は幸い、少なくともあと2年猶予期間がある。不安だ~、とか、どうしよう~、と悩んでる暇があったら、具体的に動け!ってことです。

 今までやってなかったようなことにチャレンジしたり、いろいろな会合やセミナーに足を運んでみたり、とにかく具体的に動く。それが結果的に、人生に意味をもたらします。

ニケ 自分にできそうなこととか、やってみたいことを、やってみればいいだけですか?

カワイ そうです。先のことなど誰にも分かりません。だから、具体的に動くことを心がけるしかない。そうしていると、「アレ、あんなとこに光が差し込んでる!」って、光の存在に気付いて、自分のすすむべき方向が見えてきます。

 そのときに勇気を出して、イチ、ニの、サ~ン、で飛び込んでほしいです。

 大丈夫。あと2年もあるんだから。2年もあれば何でもできる。とにかくできること、やってみたいこと、行ってみたいところに、具体的に動いてほしい。

ニケ そうですよね~。2年もある、って思うと、いろいろできそうな気がします! 2年間、とにかく動くって決めれば、動けそうば気がする~。

カワイ なんかやっぱり他人事だわね。あのね。40歳を過ぎた事務経験しかない女性を雇ってくれるようなのんきな会社はありませんからねっ!

ニケ はい! 頑張りま~す。

カワイ もうっ……軽いなぁ~。後で泣きついてきても、知らないわよ!

文/河合薫 写真/PIXTA

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