人はなぜ学ぶ? 学ぶことはなぜ大切?

ニケ そのメッセージはメチャ伝わりました! すご~くホッとしたし、涙出そうになりましたよ……。でも、「自由を謳歌するために私たちは学ぶことができる」って書いてあって、ニケはもう大学生じゃないし、うううぅぅ……。

カワイ あのね、ニケさんは何のために、小中高、そして、大学で、人は学ぶのだと思う?

ニケ へ? な、何のためって聞かれても。う~ん。一生懸命勉強して、いい大学入って、いい会社に就職するためですか?

カワイ いいえ、違います。「学び」はよりよく生きるためにするものです。

ニケ よりよく生きる?

カワイ 自分の知らない世界を知る、自分の知らない物事の考え方を知る、自分が知らない過去を知る、自分が知らない未来を知る……、いろいろなことが分かればよりよく生きることができます。そのために教育はあり、学問もある。学校ではその基礎を教えているだけです。

ニケ なるほど! そっか。大学生じゃなくとも、いくつになっても学ぶことはできるってことですね。

カワイ その通りです。本を読む、映画を見る、行ったことがないところに行ってみる、いろんな人に会う。「知りたい、もっと知りたい」という気持ちを持ち続ければ、学びは至る所にあります。日常に「学びの機会」はあふれています。見る、聞く、触る、嗅ぐ、食べる、五感をフル稼働させれば、たくさんのことを学ぶことができますよね。

ニケ うんうん! 最近、シリアの空爆のことがニュースになってるじゃないですか? それでニケ、シリアってどこにあるのか、なんでそんなことになっているのかも分からなくて。それでちょっとググってみたら、シリアの子どもたちのことを書いてあるサイトを見つけて、シリアの難民の写真展に行ってみたんです。なんか、いろいろと考えさせられました。それで、ほんのちょこっとですけど、募金をしたんです。

カワイ それも「学び」ですよね。

 ニケさん、ノーベル平和賞を2014年に受賞したマララ・ユスフザイさんは知ってる? 彼女の受賞時のスピーチも、学びの大切さを訴えたものでした。

 One child, one teacher, one pen and one book can change the world.
Education is the only solution. Education First.

1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。
 教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーション・ファースト(教育を第一に)

ニケ あ、ホントだ! マララさんって、当時まだ17歳でノーベル賞を受賞したんですよね? すごいなぁ~。

カワイ 「1本のペンが世界を変えられる」。ニケさんだって世界を変えられるかもしれないのよ。

ニケ へ? そ、それはムリです!

カワイ ムリかどうかは分からないじゃない?