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「女は大学に行くな、」の広告で思い出した大切なこと

2018年4月23日

私たち、どう生きるのが「正解」なの?

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 「女は大学に行くな、」で始まる交通広告が話題です。書き出しでドキッとさせられますが、読み進めていくと深いメッセージだということが分かります。今回は、この提言について、健康社会学者の河合薫さんと独身アラサーOL代表のニケさんが考察していきます。

【Q】混沌とした世の中でどう生き抜くの?

今週の気になる話題Vol.6「生き方を考えさせられる交通広告を見ました」
 「女は大学に行くな、」という電車の広告を見ました。とても心に響いたので、思わず河合さんに投稿しました。ぜひ今回はこの広告を取り上げてください。いろいろ考えさせられます。私は、大学を卒業して、就職して、正社員として働き続けています。たぶん結婚したり出産したりどんな境遇になっても、ずっと働き続けるんだろうなと思います。(24歳、サービス、マーケティング)

***

女は大学に行くな、という時代があった。
専業主婦が当然だったり。寿退社が前提だったり。
時代は変わる、というけれど、いちばん変わったのは、
女性を決めつけてきた重力かもしれない。
いま、女性の目の前には、いくつもの選択肢が広がっている。
そのぶん、あたらしい迷いや葛藤に直面する時代でもある。
「正解がない」。その不確かさを、不安ではなく、自由として謳歌するために。私たちは学ぶことができる。
この、決してあたりまえではない幸福を、どうか忘れずに。たいせつに。

「女は大学に行くな、」で始まる交通広告 画像提供/神戸女学院大学

【A】たくさん学んで、いくつもの選択肢を自分なりに選んでいく

ニケ 最初は炎上商法かと思いました~。

カワイ 女子大が「女は大学に行くな、」だなんて、ビックリしちゃうわよね。

ニケ いつくらいから女の人が普通に大学に行くようになったんですか?

カワイ 「普通」という基準がよく分からないけど、1970年代には大学や短大の女性の進学率は3割を超え、1980年代後半には男女差はほとんどなくなりました。ただ、その頃は短大に行く人が結構いたし、就職しても寿退社が「当たり前」。結婚して、子ども産んで、主婦になるのが「当たり前」だったのよね。

ニケ うわぁ、出た~! 「当たり前」攻撃!

カワイ 「女は大学に行くな、」が当たり前の時代には、ホントは大学に行きたいのに諦めたり、もっと働きたいのに諦めたり……。自分のやりたいことより、世間の当たり前が優先された。

ニケ でも、今だって~(イジイジ)、就職して当たり前、結婚して当たり前、子ども産んで当たり前、でもって、結婚しない人、子どもいない人は、バリキャリで当たり前……。フ~ッ。

カワイ 今の日本社会は、高齢化による労働力の低下や、出生率の低下……、そういった社会の問題を、み~んな女性たちに押し付けてますよね。労働力が足りないっていえば、女性活躍というのろしを上げ、「女性たちは働け、働き続けろ! 女性リーダーになれ!」ってプレッシャーをかける。人口が足りないっていえば、「女性手帳を出そう!」なんてことまで政府は言い出して、「子どもを早く産め!」とプレッシャーをかける。「産めよ、殖やせよ」の戦時中並みの圧力です。

ニケ うううぅぅ……。だから落ち込むんです。っていうか、「普通に働いて、普通に結婚できて、普通に子どもができたらいいなぁ~」って思っている自分はダメなヤツなんじゃないかって。

カワイ そういう女性たちに、「そんなことないよ! 目の前にたくさん選択肢はあるよ! もっと自由を謳歌しなさい!」って、神戸女学院大学はメッセージを送りたかったんだと思いますよ。当たり前、つまり「正解」にとらわれてかんじがらめになるな!ってね。「私」を信じなさいって。

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Profile
河合薫
河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D)。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などで活躍後、東京大学大学院に進学。「人の働き方は環境がつくる」をテーマに、600人超のビジネスマンをインタビューし、学術研究に従事。講演、執筆活動も行う。新刊に「面倒くさい女たち」(中公新書ラクレ)。メルマガ「デキる男は尻がイイ―河合薫の社会の窓」。
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