「責任」はモチベーションを上げるプラスの力

ニケ でも、メチャクチャやりにくいですよね? いや~な嫉妬とかもされそうだし。意地悪とかもされそうだし。地獄絵図だぁ~。怖ッ。

カワイ やりづらいだけじゃなく、リーダーとしての責任のプレッシャーに耐え切れず体調を崩してしまう人もゼロではありません。実際、私がインタビューした方の中にもいました。

 本当はね、せっかくのチャンスが無駄にならないよう、会社側がサポートをつけるなどフォロー体制をとってくれればいいけど、なかなか難しいですよね。ただ、部下を持って戸惑うのは、男性でも同じです。課長になって部下を持つことの重さに、メチャクチャ苦労する人はとても多いの。

 最近は、年上部下も珍しくないし、嫉妬するのは男性も一緒。誰もが「本当に自分でいいのか?」「自分にはそんな力ないんじゃないか」って、部下を持つことをためらい、自信喪失する。ノー天気に、「やった!昇進した!俺ってサイコ~」なんて思う人は滅多にいません。

ニケ 男の人でもそうなんですか? うちの課長は昇進した途端、こっちがムカつくくらいエラそうにしてましたよ。スーツも新調しちゃたりして。髪型まで変えたのは笑ったけど……。男の人でも昇進するって、良いことばかりじゃないんですね。

カワイ いいことばかりじゃないけど、いいことでもある。だって、どんな理由があろうと、認めてくれた人いる、という事実は存在します。それに「責任」をやたらとネガティブに捉える、“責任持ちたくない病”が増えてるけど、本来「責任」はモチベーションを高めるプラスの力です。

 「責任のない仕事を永遠にやらされる」状況をイメージしてみて。

ニケ う~む……。永遠に、ですよね。ううむ……楽そうだけど、モチベーションは……。それって、誰がやってもいい、別にアンタじゃなくていいんだよって言われてるようなもんですよね。

カワイ その通りです。「責任がある」と思うからこそ、やる気も出る。ただし、責任過多になるとプレッシャーになってマイナス要因になる。そのバランスがとても重要なの。そのバランスを考えるのは上の仕事なんだけど、それ以上に大切なのが「自分で抱え込まない」ってことです。そのために部下はいるし、同僚もいる。上司だって、そのためにいます。

ニケ 助けてもらえばいいのか~。

カワイ その前にやることがあります。まずは、「自分を信じて、精一杯やろう!」という覚悟することです。