健康社会学者の河合薫さんが、読者の皆さまから寄せられたカイシャやオシゴトにまつわる悩み事について回答する、リアル人生相談の連載がスタート!

 働き方や仕事術、キャリアアップ、会社の人間関係――働く女性が抱える悩みは実に多岐に渡ります。しかし、個人的な悩みでも、よくよく見れば、「それ、あるある!」と皆がうなずきたくなるような、共通の悩みであることも。それらを「あるあるカイシャ事件簿」として取り上げ、河合さんが真正面から向き合ってお答えいたします。

 第1回は、残業がやめられない、家に帰りたくない……という悩みにお答えします。

あるあるカイシャ事件簿Vol.1
「ひとりボッチになりたくない“帰宅恐怖症”」

 河合さん、はじめまして。
 ワークライフバランス・タイムマネジメントに悩んでいます。
 毎晩、残業に明け暮れています。気が付くと終電の時間ということも多々。終電を逃し、タクシー帰りになったときは、さすがに後悔しました。
 仕事にはやりがいを感じているし、人間関係もよく楽しいので、ついのめり込んでしまうんです。本当は趣味にも時間を使いたいし、家でのんびりする時間も欲しい。こんな仕事漬けの日々ではダメだと思うのですが、自分でもどうしたらいいのか分からないのです。
 河合さんは、どのように仕事とプライベートを充実させてきたのか。教えてください。
(32歳 正社員)

ニケ  新連載・女性のリアル人生相談、始まりました。進行役のニケです。薫さん、ヨロシクお願いします。

カワイ  みなさん、こんにちは。健康社会学者の河合薫です。ヨロシクお願いします。

 初回はてっきり、上司とか会社がらみの“あるある事件”かと思ったら、全く違いましたね。

ニケ  しかも、残業を強要するブラック企業かと思いきや、自分からのめり込んで困っているって。ある意味スゴくないですか? 私は全く逆ですよ。

カワイ  ニケさんは、“5時から女”ってわけね?

ニケ  ふ、古い! そんなバブル時代のフレーズ、もう使う人いませんよ(笑)。

カワイ  アラ、失礼。年齢がバレちゃうわね。まぁ、いずれにしても32歳の彼女は、“帰宅恐怖症”ですね。

 男性たちの中には「家に帰って、育児や家事をやりたくない!」という“帰宅恐怖症”が最近増えていて、問題になっていますが、彼女もソレ。「家に帰って、ひとりぼっちになりたくない」。年齢的にもそういう時期なのでしょう。

 30を過ぎると、周りに結婚や出産する人が増えて、どんどんと変わっていく友人を見ると自分だけ置いてけぼりになっているような気持ちになる。「私は私」と思っていても、少しだけ不安になる。だから無意識に、“ひとりぼっち“を避ける。

ニケ  あ~、なんが分かるなぁ~。私も彼と別れてから、休日に無理矢理スケジュール入れまくっているかも。一人になると、「私、大丈夫か?」って不安になるときありますから……。