「会社との約束の時間」と「自分時間」を分ける

カワイ ホントに仕事がデキる人は、スケジュールが入っていない時間の大切さを知っているの。時間というのは、最大の資源です。「忙しい人=デキる人」と勘違いしている人は、時間を潰すことに精を出すけど、ホントにデキる人はスケジュールが入っていない「自分時間」をいかに利用するかを考えます。

 例えば、スケジュールのない時間に、自分の仕事のスキルを高める勉強をすることもあれば、映画を見たり、読書をしたり、ボーッとすることもある。一見すると無駄な時間こそが人生を豊かにし、結果的に質の高い仕事につながっていくことを知っているの。

ニケ 自分時間、ですか……。

カワイ そうです。その自分時間に「コレをしよう!」という目標を毎日のスケジュールに書き込んでみたらどうかしら? 「やることリスト」じゃなくて、「やりたいことリスト」でスケジュールを埋めるの。

 そもそも毎朝会社に行くわけでしょ? ということは、朝起きてから会社に行って退社するまでは、「会社との約束を果たす時間」です。なので、まずはそれをスケジュール帳に書き込んでみる。すると空いている自分時間が分かりますよね?

ニケ はい! そこでニケはスイーツを食べに行くのであります!

カワイ ええ、それはとっても楽しい自分時間ですよね。でも、スイーツタイム以外に自分時間にやってみたいことはない?

ニケ う~ん、突然言われても……。

カワイ 話題になっている映画を見る時間、ぼーっとする時間、リフレッシュするお散歩の時間、知識を増やす読書の時間。時には友達に連絡を取って、飲みに行く時間……。そういったいくつもの「やりたいこと」ができる人生って、と~っても充実してますよね!

ニケ そっか! 「やること」じゃなく、「やりたいこと」をスケジュール帳に書いていけばいいんですね!

カワイ そうです。その通りです。

やってみたいことを「自分時間」に充ててみよう (C) PIXTA
やってみたいことを「自分時間」に充ててみよう (C) PIXTA

カワイ ニケさん、ゲーテって分かる?

ニケ ゲーテは……ドイツの小説家だったような……。

カワイ そうです。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテはドイツを代表する文豪で、小説「若きウェルテルの悩み」の作者です。彼は「充実した人生」を送るために、すてきな名言を残しています。

 毎日を生きよ。
 あなたの人生が始まった時のように。

 ただ、はつらつとした活動によってのみ、
 不愉快なことは克服される。

 「毎日を生きよ!」という言葉を私はいつも大切にしています。たとえ原稿の締め切りや講演会などの予定でスケジュール帳がいっぱいになっても、毎日の自分の人生を満喫する時間を大切にしよう。そのためにはスケジュールが空白の時間を、ただ過ごすのではなく、やりたいことをやって生きる。

ニケ やりたいことをやって生きる……ですか……。なんかいいかも。ちょっとワクワクしちゃう。スイーツもいいけど、映画や読書のスケジュールも書いてみようかな……。

カワイ とってもすてきだと思いますよ。28歳・一般事務さん。仕事は人生の一部です。毎日の3分の1は仕事に取られてしまうのですから、自分時間を楽しんで充実させてね。

ニケ はい、了解です! ニケも頑張ります!

文/河合薫 写真/PIXTA

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