「ヒット作を生み出すのは脚本家がカギ」の時代が戻ってきた

 脚本家を見ると、『家売るオンナ』の大石静、『ドクターX』、『花子とアン』の中園ミホ、『吉良奈津子』の井上由美子と、オリジナル作品ではキャリア25~30年のベテラン勢が目立つ。

 原作モノでは野木亜紀子が勢いを見せ、『逃げ恥』『重版出来!』と、2作品がトップ10に入る。野木は『図書館戦争』シリーズが代表作。コミック原作の実写版脚本に定評があり、『俺物語!!』(15年)や『アイアムアヒーロー』(16年)など、映画でも評価されている。

2017年のドラマはどうなる?

 アンケートの傾向から、17年1月期の作品では、東村アキコのマンガ原作でコミカルな作風の『東京タラレバ娘』(水曜22時/日本テレビ)が期待。吉高由里子主演で、残念なアラサー女子が幸せを求めて突き進む姿が描かれる。メインキャストの1人に鈴木亮平がおり、『花子とアン』コンビの再共演も注目されている。脚本は、『花咲舞が黙ってない』を手がけた松田裕子。

 そのほか、『吉良奈津子』や『ノンママ白書』の路線で考えると、小雪が主人公を演じるシングルマザーの奮闘物語『大貧乏』(日曜21時/フジテレビ)も共感を集めそうだ。こちらは、女性人気が高かった『リッチマン、プアウーマン』(12年7月期/フジテレビ)や『失恋ショコラティエ』(14年1月期/フジテレビ)の安達奈緒子が脚本を担当する。

 いままでは「主演俳優やストーリーで見るドラマを決めていた」という人も、来期からは「脚本家」に注目して見てみるのも面白いのではないだろうか。

文/内藤悦子