今期注目のオリジナル作品

 マンガや小説を原作とするものが多い中、異彩を放つのは、作家の本多孝好が映像作品に初挑戦した「dele」。2年半前からプロジェクトが進んできたオリジナルの意欲作となる。

「dele(ディーリー)」

不都合な記録=デジタル遺品にスポットを当てる

7月27日スタート/金曜23時15分/テレビ朝日系※一部地域を除く
(編集部のおススメ度 ★★

 タイトルの「dele」とは校正用語で「削除」のこと。パソコンやスマートフォンにある、人に見られたくない不都合な記録=デジタル遺品にスポットを当て、そこに秘められた謎の真相に迫る1話完結の物語。

 依頼人の死後、デジタル記録の抹消を請け負うプログラマー・坂上圭司(山田孝之)と、彼の仕事を手伝うことになる何でも屋の真柴祐太郎(菅田将暉)は、さまざまなデータ削除の任務を遂行する中で、図らずも依頼人の人生や秘密に触れ、そこに隠された真相をひもとく状況に追い込まれる。

 「ストレイヤーズ・クロニクル」で知られる作家の本多孝好が、初めてドラマの原案とパイロット脚本を手掛けた作品。

「探偵が早すぎる」

優秀過ぎる探偵が事件を未然に阻止

7月19日スタート/木曜23時59分/読売テレビ・日本テレビ系
(編集部のおススメ度 

 原作は、メフィスト賞受賞作家の井上真偽の小説。千曲川光(滝藤賢一)は、ささいな違和感やミスを察知して、犯人が仕掛けたトリックを先回りして、犯人を返り討ちにする犯罪防御率100%の探偵。彼が受けた依頼は、父親の遺産5兆円を相続することになった女子大生・一華(広瀬アリス)を守ること。一華を狙って、父親の兄弟姉妹である大陀羅一族があの手この手で暗殺を仕掛けてくる。

 緻密に練られた奇想天外な殺害トリックを、千曲川が未然に阻止していくが、仕事ぶりが早過ぎて一華は守られていることすら気付かない。「誰も死なせない」探偵が活躍する痛快コメディー・ミステリー。

「GIVER 復讐の贈与者」

人間の感情が欠落した主人公が復讐(ふくしゅう)の依頼に応える

7月13日スタート/金曜24時12分/テレビ東京系
※7月13日は24時17分スタート
(編集部のおススメ度 

(C)「GIVER 復讐の贈与者」製作委員会
(C)「GIVER 復讐の贈与者」製作委員会

 生まれつき人間としての感情が欠落している義波(吉沢亮)は、淡々と他人の復讐を請け負い、完璧にこなす。依頼者は同級生を殺された女子高生、結婚詐欺にあった女性、連続殺人被害の家族などさまざま。義波は依頼主の要望に応じて、ターゲットの心をえぐるような最適で残酷な方法で追い詰めていく。

 仲間は数人で、統率するのはテイカー(森川葵)と呼ばれる謎の少女。なぜ彼らは復讐代行業を始めたのか。原作は日野草のリベンジミステリー。メイン監督を映画「全員死刑」(17年)の小林勇貴が務める。

文/内藤悦子