ニナさんが語る塗り絵の魅力

 塗り絵には、この色にはこの色を組み合わせる、という決まりはないはずですし、せっかくならもっと大胆に色塗りを楽しみたい! という想いを胸に、著者であるニナ・チャクラバーティさんに質問をしてみました。

ニナさんが自画像を描いてくださいました! (C) Nina Chakrabarti
ニナさんが自画像を描いてくださいました! (C) Nina Chakrabarti

――「自由に塗っていい」と分かっていても、ワンパターンな色塗りになりがちです。色塗りを楽しむコツがあれば教えてください。少ない色数でも色塗りを楽しむことはできますか?

ニナ・チャクラバーティさん(以下、ニナ):私は対照的な色を使うのが好きです。この場合、色が制限されているほうが塗りやすいかもしれません。対照的な2色と、細かな部分を目立たせるためにもう1色使用する方法がおすすめですよ。そうすると数百色使うよりも、印象的な作品になります。

――ロンドンで今ホットなカラーリングなど、トレンドはあるんですか?

ニナ:ファッションはもちろん、動物や鳥、花などの自然物が人気です。それから、小説、テレビ番組や映画のストーリーに基づいた塗り絵も好まれています。読者会のように友人同士で集まっておしゃべりをしたり、ワインを楽しみながら塗り絵をする「塗り絵の会」という集まりもあるそうで、今や社会活動の一つになりつつあります。塗り絵自体、どんどん洗練されてきています。様々な効果を生むような、濃淡や影の付け方ができる色鉛筆を使っている人も多いのですよ。

――現在、日本では「大人の塗り絵」はリラクゼーション、癒し、などの名目で人気が広がっていますが、ロンドンでの反響はどうですか?

ニナ:ロンドンでも塗り絵の人気は、ストレス解消や忙しい毎日から解放してくれる、など同じような理由からですね。癒される、子供時代の創造力を呼び起こすのを手助けしてくれる、とロンドンの人々は感じているようです。いくつになっても絵を描いたり塗ったりすることは、心にとってよいことだと思います。

――「塗り絵文化」はいろいろあると思いますが、世界各国での違いなどはありますか?

ニナ:世界各国の「塗り絵文化」に違いがあるかどうかは個人的には分かりませんが、違いがあるかどうかを調べたらきっと面白いでしょうね! 現在さまざまなテーマの塗り絵がありますが、「わたし色のファッション 夢見るぬり絵&お絵かきブック」の出版元であるイギリスのローレンス・キング社によると、世界中で人気の塗り絵は同じ本が多いようですよ。