【質問9】落ち込んだときはどうやって対処しますか?

【回答】プラスに捉えて、自分を甘やかす予定を入れます

 失敗をしたら「この程度の失敗で済ませてくれた」と、プラスに考えるようにしています。日常生活で嫌なことがあったときには、楽しいことを探しますね。例えば、「今日は青森に滞在だからどこのお店に食事に行こうか」と考えたり、「心身共に疲れている」と感じたら、いいマッサージ屋さんを探したりしています。自分で自分を甘やかして、プラスマイナスをゼロにしてあげるのです。

失敗したら「この程度の失敗で済ませてくれた」と捉えるそう
失敗したら「この程度の失敗で済ませてくれた」と捉えるそう

【質問10】将来のことはどうやって考えますか?

【回答】自分が心地いいと思える生き方の大枠を考えます

 細かいことは決めていませんでしたが、学生の時に「定年まで働ける仕事を持ちたい」「結婚するならこのくらいかな」「働き方はこういう感じで」と妄想することで、自分にとって心地いい状態を探しました。漠然とでも、どういう人物になりたいか、どういう立ち位置にいたいかを想像していると、自分をそこに近づけられると思います。

 また、「失敗したらどうしよう」と思わずに挑戦してみることも大切です。失敗したとしても、対処を考えることで自分を進みたい方向に導くことができます。仕事で悩んだとしても、自分が一番自分らしく生きられるところを見つけられればいいと思います。自分がやることに自信を持つことが大切なのです。

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 後輩・部下への指導や仕事のモチベーションを上げる方法、将来像の考え方を伺った後編。失敗からも学び、自信を持って仕事に向かっていくことの大切さを感じられるお話でした。

聞き手・文/飯田 樹 写真/竹井俊晴

藤明里(ふじ・あり)

日本航空  航本部 運航訓練審査企画部 定期訓練室 調査役 737機長(兼)運航訓練部 737訓練室 飛行訓練教官。1992年大学卒業後、米国のパイロット養成学校に入学し、ライセンスを取得。1993年に帰国し、仕事をしながら国内のパイロット養成学校で日本のライセンスを取得。1997年、地方空港を拠点とする航空会社に入社。1999年JALエクスプレス(現・日本航空)入社。2000年に副操縦士となり、2010年に機長に昇格。