残業時間が長いのは50代、短いのは20代

 「平均的な1カ月の残業時間」を年齢別に見てみましょう。割合で見ると、下記の結果になりました。

平均的な1カ月の残業時間(年齢別)
平均的な1カ月の残業時間(年齢別)
平均的な1カ月の残業時間(年齢別)
平均的な1カ月の残業時間(年齢別)

 時間の平均で見ると、一番長かったのは「50~54歳」と「55~59歳」で、ともに19時間でした。反対に残業時間が短いのは、20代から30代前半でした。

昨年より残業が減った人は3割弱

 「昨年と比較して残業時間は減っているか」という質問に対しては、「大きく減っている」「多少は減っている」を合わせると29.7%でした。

昨年と比較して残業時間は減っているか
昨年と比較して残業時間は減っているか

 では、残業時間が減ったという人に、残業が減ったことについてどう思うか聞きました。「嬉しい」人が61.9%に対して、「嬉しくない」人が13.0%いました。

残業が減ったことについてどう思いますか?
残業が減ったことについてどう思いますか?

残業が減ったメリットは「体を休められる」、デメリットは…

 「残業が減ったことによるメリット」のトップ3は、「体を休めることができるようになった」(44.5%)、「趣味や娯楽を楽しむ時間ができた」(39.0%)、「家族や友人と過ごす時間が増えた」(35.2%)でした。

残業が減ったことによるメリット
残業が減ったことによるメリット

 反対に「残業が減ったことによるデメリット」は、44.4%の人が「収入(残業代)が減って困っている」を挙げています。また、「業務に遅れが出ている」(17.6%)、「自分の残業が減った分、他に負担がかかっている」(13.2%)、「クライアント対応などに支障が出ている」(10.1%)という声もあり、必ずしも仕事がうまく回って残業が減っているわけではないという実態が明らかになりました。

残業が減ったことによるデメリット
残業が減ったことによるデメリット

残業時間が変わらない人の7割は「生産性を高める取り組みをしたことがない」

 昨年と比べて残業時間は「変わらない」と答えた5369人のうち1100人を対象に、「生産性を高めるために、何かしらの取り組みを行ったことがあるか」を聞いたところ、「ある」と答えた人は28.0%でした。やはり残業時間が「減った」人(34.2%)に比べると6.2%低くなっています。

生産性を高めるために、何かしらの取り組みを行ったことがあるか
生産性を高めるために、何かしらの取り組みを行ったことがあるか

 「昨年より残業時間が減った」人が3割弱いたのは、いい傾向といえそうです。一方、残業が減ったことで、自分の業務や周りの人に支障が出ているケースもありました。単に残業時間を減らすだけでなく、業務自体の進め方を見直す必要がありそうですね。

文/佐々木恵美 イラスト/PIXTA