罹患後には約20%収入が減少

 乳がんに罹患した場合、生活面だけでなく「経済面」での不安も発生します。治療のために休職や退職、転職が必要な場合もあり、グラフを見ると、罹患後には約20%も収入が減少する傾向があることが分かりました。

罹患前と罹患後のおおよその年収は?
罹患前と罹患後のおおよその年収は?
年収358万円が、罹患後には年収288万円に

 さらに経済面での困りごとを具体的に調査したところ、「医療費」(入院費・手術費・薬代など)に負担を感じている人が最も多い結果になりました。次いで、「本人や家族の生活費」(食費・水道光熱費・日用雑貨など)に頭を悩ませている人も多いことが分かりました。

収入が減って経済面で困ったことは?(複数回答可)
収入が減って経済面で困ったことは?(複数回答可)
収入の減少に伴い、これまでの生活スタイルにも変化が

残業を免除されるようになったので、給料が減少。治療費については高額療養費制度があるとはいえ、毎月10万円近くかかるので、金の切れ目が命の切れ目になりそうで怖いです。(罹患時40代)

私立に通わせている子どもを公立に転校させる、あるいは大学進学を諦めざるを得ないかもしれません。塾や通信教育はやめてもらいました。(罹患時40代)

生活費を確保することが難しく、健康に良い食品を取りたいと思いながらも、食費を削る生活を送っています。(罹患時50代)

飲食代など少ない予算で知人と会おうとするのが精神的につらくなり、出掛けなくなりました。そのため、余暇の楽しみが失われ、ポジティブに生活するのが難しくなりました。(罹患時40代)

 では、こうした経済面での困りごとを、経験者はどうやって乗り越えているのでしょうか? 次のページでは、収入減少後、どうやって日々の生活費を工面したのかを紹介します。