心が軽くなる、考えが深まる… おすすめ本は?

<心が軽くなる>

「人生がうまくいく 『求めない』法則」植西聰。営業の仕事をしていて、同期と比べてしまう日々に疲れた時、この本に出合いました。比べたり、羨んだり、不公平を感じたり負の感情で日々の生活が楽しくない。それもすべて私が評価されたいやよく見られたい、そんな求める気持ちがもたらしていたこと。求めないことを心掛けることで、心が少し軽くなった気がします(27歳、保険、営業)

「神さまとのおしゃべり」さとうみつろう。これを読んだら、人間関係も仕事も家庭も全部自分で解釈したいように解釈しているだけであって、すべては自分の責任だと気付き、人間関係や仕事も家庭も、ほとんど悩まなくなりました。自分を正当化するために何かのせいにしたくて、責任転嫁して、ただ言い訳してるだけだった自分に気付きました(40歳、飲食、一般事務)

ドラッカーの「経営者の条件」。社会人3年目になるタイミングで、志半ばで担当替えがあり、どうしても納得できずにもんもんとしていた際に出合いました。経営者とタイトルではうたってますが、ホワイトカラー労働者全員へ向けて書かれており、「what can I contribute?」を常に考えること、これを常に自らに問いかけること、とあり、新しい担当でどう仕事をするか、に気持ちを切り替えることができました。以降、仕事で気持ち的に詰まると読み返しています(27歳、商品開発)

<考えを深める>

「豊かさとは何か」暉峻淑子。日本人は働き過ぎで、家族と過ごす時間や余暇の時間が少ないということを海外と比較して、どう生きるのが幸せで真の豊かさなのかということを考えさせてくれる本です。大学2年生の時に読んだので、就活で職場を選ぶ時も、このことを考えながら決めました(26歳、学術研究・技術サービス、研究開発)

「アフガニスタンの診療所から」中村哲。学生時代から国際協力に興味があり、グローバルかつ幅広い分野で貢献なさる中村氏のことを尊敬していました。ただ、自分にはグローバルな仕事に足を踏み入れる勇気もなく、日本の企業で、ただ目の前の仕事に追われる会社員生活を選んでしまいました。でも、夢を思い返すように、時々思い起こすのは中村氏の言葉。特に響いたのは「つたない表現の中に真実を、正当な論理の中におごりを、耳ざわりのよい修辞にいつわりを」発見しようとする彼の姿勢。社会的に弱い立場の人たちを支えてきたからこその価値観だと思います。常に相手のことを思い体現化することはビジネスでも同じだと思うので、私もこの言葉を胸に、人間味ある仕事ができたらと思います(27歳、製造、専門職)

 皆さんが挙げてくださった本は、まだまだたくさんありました。一方で「人生を変えるほどの本にまだ出合っていない。むしろ出合ってみたい!」(32歳、サービス、企画・広報)という声も。読書の秋がやって来たので、これを機に運命の本に巡り合えるといいですね。

文/佐々木恵美 写真/PIXTA