「社会全体で取り組んでほしいこと」1位は?

 一方、社会全体での取り組みに対して、働く女性たちはどのような印象を持っているのでしょうか。意識改革やサービスの充実、制度の見直しなど、積極的に取り組んでほしいと思う分野について聞きました。

女性の働き方として、意識改革やサービスの充実、制度の見直しなど、社会全体でもっと積極的に取り組んでほしいと思う分野を一つお答えください
女性の働き方として、意識改革やサービスの充実、制度の見直しなど、社会全体でもっと積極的に取り組んでほしいと思う分野を一つお答えください
第1位は「育児について」(21.5%)。特に、20代、30代の関心が高いことが分かります 出典/ネオマーケティング

 全体で最も多い回答は「育児について」で21.5%となりました。年代で比較をすると、20代、30代の第1位も「育児について」となっています。しかし40代の1位は「病気による通院・治療について」で、ライフステージにより異なる結果となりました。

 どのような取り組みをしてほしいか、具体的に聞いてみたところ、昇進やキャリアアップ、育児について、次のような声が集まりました。

【昇進・キャリアアップについて】

男性と女性とで昇進の仕方に差がある。男女均等なんて全然実現していない。(北海道47歳)

女性は妊娠があるから役職に就けないという考え方がまだある。それを改めてほしい。(熊本県36歳)

「女性だからこの仕事をやってください」というように、電話を取る等の事務仕事を女性に押し付けることのない環境をつくってほしい。(埼玉県27歳)

今の仕事場は昇進がどのタイミングなのか分からない。給料に見合った仕事量ではない。(千葉県34歳)

【育児について】

育児と仕事が両立できるよう、企業が多く集まるエリアに保育所をたくさん設置してほしい。(神奈川県30歳)

待機児童問題。保育士の福利厚生を充実させて、保育園を増やしてほしい。(愛知県29歳)

共働きの男の意識改革。イクメンとか家事を手伝う、とかいう家事は女のやるもの、という発想からなくしてほしい。やるのが当たり前、という世の中になるべき。(東京都46歳)

産休育休から復帰した人は仕事をあまり任せられない雰囲気があり、意識改革が必要だと感じている。(神奈川県33歳)

 昇進やキャリアアップに関しては、「働き方改革実行計画」にもある女性が活躍しやすい環境整備に関する内容が多く集まりました。育児については待機児童の問題や、働き方改革でも重要視されている「育休」に関しての意見が多く集まる結果となりました。

 最後に、理想の働き方について尋ねました。給与と勤務時間のバランス、制服の有無など一概には答えの出ない問題も多々ありますが、多数派を占めるのはどのような意見なのでしょうか。

あなたの「理想の働き方」を教えてください
あなたの「理想の働き方」を教えてください
「土日祝日に休みたい」、「都心で働きたい」、「大企業で働きたい」という回答が特に多い結果になりました 出典/ネオマーケティング

 「土日祝日に休みたい」、「都心で働きたい」、「大企業で働きたい」と回答した人が多く、「バリバリ仕事したい」、「制服があるところで働きたい」、「落ち着いた静かな職場で働きたい」と回答した人は少数派となりました。土日祝日休みで安定している一方で、プライベートや服装などは自由に決められる職場が現代の女性の理想になっているようです。

 企業によって働き方改革の進行度合いは大きく異なり、さまざまな改善点を抱えている職場も多数存在します。しかし、他社の事例を集めてまとめたり、働きやすい職場に転職したりと、自分で環境を変えることもできます。周りに流されず、少しでも自分らしく働けるように、常に「理想の働き方」を胸の内に思い描いていたいですね。

文/華井由利奈 写真/PIXTA