マイナス面が気になる

 ふるさと納税を行っている・いないに関わらず、その仕組みに釈然としないという人も。

ふるさと納税については知っていますが利用したことはありません。面倒なのと、税金を使ってお礼の品を贈るということにも、少し違和感があります。(26歳)

自治体によってふるさと納税で潤う場所もあれば反対もあり、なかなか実行できません。(31歳)

“お得合戦”になっていて、自治体格差が広がるのは良いのだろうか、という疑問があります。やってみたい気持ちはあるのですが、釈然としません。(33歳)

寄付であるのに「納税」と称することに大きな問題を感じます。納税という言葉は安易に使うべきではないと思います。(25歳)

昨年、5万円分を寄付しました。夫と合わせて12万円寄付し、イクラやカツオ、ステーキ肉などを受け取り、とても満足しています。ただ、返礼品で制度の趣旨を逸脱しているのではという指摘もあります。お金の納付先の使途も考慮して、来年以降も利用したいです。(29歳)

過去4年ほど寄付をしました。制度の初年度は本当のふるさとに、震災の年は被災地にと、制度の趣旨に沿っていましたが、今は高級食材などの返礼品で寄付先を選択してしまっています。また、現在住んでいる自治体の税収が下がることへの懸念もあります。さらに「ワンストップ特例」は自治体の事務負担がとても重くなります。本来、国の税金から還付すべき所得税額まで自治体の負担とすること(還付を住民税の控除に振り替えること)は非常に問題だと思います。(年齢不明)

◎豆知識 ワンストップ特例
2015年4月1日以後、所定の要件を満たせば、ふるさと納税をした給与所得者が確定申告をしなくても税金の控除を受けられる制度。ふるさと納税先が五つまでなら、寄付先から居住地に情報が伝達され、自動的に減税される仕組みです。

自治体職員のつぶやき

 自治体に勤めている読者からは、ふるさと納税が大いに利用されているという実感も。ワンストップ特例で、サラリーマンが確定申告をせずに節税できるようになったことも大きいようです。とはいえ結局、確定申告が必要になった例もあったそう。「思っていたのと話が違う」なんてことにならないように、事前の調査は必要ですね。

自治体に勤めていて、会計を担当しています。ふるさと納税の件数や金額に毎月驚いているばかりです。うちの自治体は「職員が(他町村に)ふるさと納税をするな」という雰囲気があるので、興味があってもできずにいます。でも、ふるさと納税のメリットは寄付をした側には大きいので、いいなぁと思います。2015年からワンストップ特例も始まりました。でもワンストップ特例を申請したのに年末調整を間違えて確定申告が必要になったとか、医療費控除で確定申告をするので、ふるさと納税も手続きが必要になったなどの話を聞くので、もう少し周知が必要なのかなと思いました。(37歳)

私の勤務している学校に対して、ふるさと納税をしていただいています。(25歳)

応援したい自治体を見つけよう

 寄付した人にいろいろなメリットがある、ふるさと納税。とはいえ本来、この制度の趣旨は、自分が育った故郷など、地方を活性化することです。興味をもったら、まずは応援したい自治体を見つけてみてはいかがでしょうか。ふるさと納税について全自治体を一覧できる便利なサイトも参考にしてみてください。

ふるさとチョイス http://www.furusato-tax.jp/
わが街ふるさと納税 http://www.citydo.com/furusato/

文/越智理奈