まだある、「攻め」のコミュニケーション手法

魔法の言葉を唱える

 つらいときは自分なりに「何のために働いているか」「このためなら頑張れる」というポイントを考えてみるのも手です。“魔法の言葉”が見つかったら、心の中で唱えてみましょう。人間関係だけでなく、仕事で行き詰まったとき全般に効果アリ。

一度、上司のモラハラに苦しみ、最近では諦めを覚えました。今ではどんな小さな良いことでも見つけ出して、笑顔で上司のことを持ち上げます。でも心の中では、「昇給のため、昇給のため」とつぶやいてます(笑)。昇給のためならどんなことでもできるっ! 世の中ギブ&テイクです!(34歳)

相手を知ることは自分を知ること

 コミュニケーションで悩んだら、「自分が成長する良い機会」ととらえてみては。なかなか精神力が問われそうな方法ですが、家族や友人など応援してくれる人がいると、実践できるかも。中には、自分の「好かれよう」とする気持ちが行動に制限をかけ、逆にコミュニケーションを妨げていたことに気づいたという例も。

とにかく笑顔。そして、素直に話を聞く。年上、年下ともに、「この人は自分は知らない何かを教えてくれる人なんだ」と思って話を聞くようにしています。無駄になる時間はありません。(32歳)

嫌なことを言われたときは、自分の鏡だと思って自分自身を見つめ直しています。(31歳)

上司との関係に悩んでいたとき、友人が『嫌われる勇気』という本を薦めてくれました。この本を読んでから、あまり深く考えず、自由に行動するようにしたら、いつの間にかうまくやりとりできるようになりました。(31歳)

母からのアドバイスの、「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」(※注)を自分なりに実践しています。「相手の何が苦手なのか」「自分以外の人はどう接しているのか」「自分の接し方の問題点は何か」などを考えつつ、意識してコミュニケーション回数を減らさないよう心がけています。(26歳)

(※編集部注)「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは、「敵と味方の情勢を知り、その優劣・長短を把握していれば、何度戦っても負けることがない」ということ(三省堂 大辞林より)。古今東西で最も著名な兵法書の一つ、「孫子」に書かれた言葉です。数千年前から現代に生き続けている教えなんですね。