【タイプ2】パワーハラスメント(パワハラ)

 人前で執拗に叱責する、暴力をふるうなど、職場で精神的にも身体的にも苦痛を与えて追い込んでいく嫌がらせ。職務上の権限、地位、立場を使い、部下や後輩に対して行われることが多いようです。

「自分が悪いのかも」と思い過ぎないで  (C) PIXTA
「自分が悪いのかも」と思い過ぎないで  (C) PIXTA

ワンマン社長によるパワハラがとにかく酷かったです。自分の思い通りにならないことがあると怒鳴る、罵るが日常的でした。毎日「怒られ役」はほぼ同じ人。周りの人へのパワハラであっても居心地が悪く、1年持たず退職しました。(45歳、教育、学習支援)

当時のリーダーから「仕事が遅い」「覚えが悪い」と赤ちゃん言葉で馬鹿にされたり、「1回死んでやり直してこい」などの暴言や、これまでの人生の否定、両親の侮辱などを受けました。私が休職に追い込まれている間、他の被害者が内部通告してリーダーは諭旨解雇で実質クビに。(31歳、情報通信、企画)

働き方改革によって残業が規制されたことで日々の業務の濃度が急上昇。忙しさでイラついている上司に八つ当たりされたことがあります。自分にはまったく非が無く、これはパワハラだと感じたため、そのさらに上司に相談して八つ当たりをやめてもらいました。(33歳、電気・ガス・水道、営業事務)

【タイプ3】モラルハラスメント(モラハラ)

 適切・正当な評価をしない、無視するなど、肉体的な暴力こそふるわないものの、言葉や態度によって嫌がらせを行うモラハラ。周囲からは見えない形で行われることが多いのも特徴です。

歴史の古い会社に勤めていた際に、還暦近い古株社員、意地悪な中堅社員は、派遣社員を見下すような発言をしていました。「賞与の時期は貰えなくて可哀想だね」「でも頑張ってね」と声をかけるのを聞いたことも。一体何様のつもりなんだと腹が立ちました。(37歳、建設、総務)

毎日のように「向いてないんじゃない? 辞めたら?」と他の上司がいないところで言ってくるお局さまがいました。でも、さらに上の立場の上司には「向いているから頑張って!」と言ってもらえていたので、なんとか踏ん張れました。(39歳、サービス、一般事務)

お客さまの前で「精神病のくせに!」と怒鳴ってきた女性上司。実際に心療内科で薬をもらっていましたが、休職を拒否していた私に対して放った言葉。その一件をコンプライアンス委員に報告しますと支店長に伝えたら、その内容が女上司に伝わり、それを恐れた彼女は翌日からまた人格が変わったように優しくなりました。でも周囲に人がいないところでは、挨拶を無視され続けました。(32歳、建設、経理)

【タイプ4】マリッジハラスメント(マリハラ)

 マリハラは、独身者に対してそろそろ結婚したらどうか、などのプレッシャーをかける嫌がらせ。職場のたわいない世間話一つにも、マリハラと思わせるエピソードが潜んでいるようです。

元上司と久しぶりに話した際、「何歳になった?」と聞かれたので「31歳です」と答えたら、元上司が「そろそろ相手を見つけないと。売れ残りのクリスマスケーキって言われるよ」と発言。笑いながら「それはセクハラですよ」と言いましたが、今考えれば完全にアウトですね。(31歳、宣伝)

会社の忘年会の席で酔った上司から、「君はこのままだと結婚できない。すなわち一生幸せになれない」とくどくど言われました。恋愛のことも相談するような仲の良い上司でしたが、翌日に本人に「心底迷惑で大きなお世話」などの苦情を言ったら、必死で謝罪していました。(32歳、建設、経理・総務・人事)

30歳を超えてから事あるごとに、「結婚しないのか?」と言われます。「頑張ってます!」と言い切って話を終わらせます。(33歳、建設、人事)

【タイプ5】マタニティーハラスメント(マタハラ)

 妊娠・出産によって職場で冷遇されたり、産休・育休明けの女性に嫌がらせを行うマタハラ。今回のアンケートでも経験者によるシビアな事例が多々寄せられました。

復職したら仕事量が減っていました。プロジェクト案件などを引き受けたいと言っても他部署の人にアサインされる。異動する人の仕事をやりたいと言っても、時短だからなのか回してくれないなど。新人にはきっと、使えないおばさんだと思われているんだろうな、と思うと卑屈になります。(42歳、商社、人事)

妊娠時に、産休・育休の取得の希望を伝えたところ、「産休に入るまでにまだ数カ月あるからゆっくり考えて、考えが変わったら教えてほしい」というようなことが数回続き、遠回しに退職を迫られているように感じました。(37歳、公務員、総務)

妊娠中、上司との面談で「育休を取る社員は会社に貢献していないから評価を下げる」と言われました。労働組合に相談しましたが、特にアクションなく今に至っています。男性社会ではマタハラはまだまだ当たり前なのだと思いました。(42歳、サービス、総務)

産休明けに職場復帰すると、会社が合併していました。同じようなポジションに独身の派遣社員の方がいましたが立場は私のほうが上で、私が戻ったことでその人の立場が危うい状態に。事あるごとに「いつ辞めるんですか?」と言われ、精神的に追い込まれて病院に通い始めると「もっとずぶとい人かと思ってました」と高笑い。精神的に病んで結局会社を辞めました。(37歳、医療福祉関連、一般事務)