FPに相談してみたいけど「相談料が不安」

 「今後、FPの有資格者に相談してみたいですか」と尋ねると、老後の生活資金について不安に思う人は「相談してみたいと思う」(7.2%)、「どちらかと言えば相談してみたいと思う」(24.5%)と合計31.7%が「相談したい」と回答。FPに相談することを選択肢として捉えている人はそれなりの数がいるようです。

 ただ、FPに相談するには不安もあります。相談する際に不安に思うことは「相談料がいくらかかるのか分からない」が56.0%で最多でした。続いて、「お金を払ってそれ以上のメリットを受けられるのかどうか」(36.2%)、「プライバシーが保護されるのかどうか」(35.9%)となりました。

Q.FPに相談する際に不安に思うことは?
Q.FPに相談する際に不安に思うことは?

 FPの鈴木暁子さんはこうアドバイスします。

 「相談料金体系は、時間制、月額や年額などの定額制や顧問制やその併用など、FPによってまちまち。受け取る資料の有無や、相談内容によっては一度では終わらないケースもあります。データなど当日の持ち物の準備など事前準備をしっかり行うと相談を効率的に行えます。相談料や事前に準備するものは相談の申込みをする前に必ず確認しましょう。不明点などの質問に対する対応で、ある程度相性もわ分かると思います」。

 また、FPによって、得意・不得意分野があるため、プロフィールや相談実績などを確認して、希望する相談分野を得意とする人を選ぶことも重要なポイントだそう。

 今回の調査では、老後の生活資金に不安があっても「自ら専門家に相談する」などの積極的な行動を取っている人は意外と少ないことが分かりました。先行き不透明な社会・経済情勢のなか、ライフスタイルは多様化し、金融商品や税制なども複雑化しています。「テレビやインターネット、新聞・雑誌で得られる情報は一方方向であり、モデルケースとしては納得できるものの自分に置き換えたときにどうなるのか分からず、不安が解消しないのかもしれません」(FPの黒澤佳子さん)

 専門家に相談してみたいけど「料金について不安がある」「相談の仕方が分からない」という場合は、まずは行政機関などの無料相談を活用することからスタートするのもよいかもしれません。

取材・文/小林浩子