女性たちの努力でオープンになってきた生理

 オーストラリアでは、来年から生理用品に税金がかからなくなります。もともとトイレットペーパーや野菜といった生活必需品は非課税なんですが、女性の生活にとってなくてはならない生理用品にはなぜか税金がかかっていたんです。「ナプキンはぜいたく品ではない」と、女性たちが股間を赤く染めてデモなどで訴え続けた結果、消費税から除外されることになりました。生理のことって、世界的にもここまでやってようやく分かってもらえる話。ですから、男性上司にだって、先ほど申し上げたようにホワイトボードを使ってレクチャーぐらいのことをしないと、本当の意味では理解してもらえないですよね。

 アメリカやヨーロッパでも、学校などで生理用品を無料で配布する活動が広まっています。貧困家庭で、ナプキンを買うお金のない子が生理用品を購入するために売春することもあるから。インドに生理用品を広めた男性の実話をもとにした映画「パッドマン」も話題です。生理用品は女性が生きていく上で必要不可欠のものである――こういった認識が広まりつつあるのも、世界中の女の人たちが一生懸命、活動してきたから。今までタブーとして隠蔽され、なきものとして扱われてきた生理がオープンになってきているのは、女性への偏見をなくす上でもとってもいいことだと思います。

 それにしても「毎月子宮内膜を取り替えるために、数日間にわたって結構な量を出血する」って、生き物としては相当リスクが高いと思いません? 大脳ばっかり進化させて、この非効率な仕組みはなんで温存したままなのよ。不要な内膜は分解して吸収するとか、なんかもっと体に負担のない方法でやるようにしてくれないものかしら。今後の進化の方針について、どなたかお詳しい方がいらしたら、ぜひとも教えてくださいませ。

「生理の話、オープンにしていきましょう」
「生理の話、オープンにしていきましょう」

■関連サイト:有給? 無給? 働く女性が知っておきたい労働基準法の制度「生理休暇」とは

聞き手・文/小泉なつみ 写真/稲垣純也