「ミレーナ」で長かった迷走期間を脱出

 だから初潮後数年は、生理がうれしくてたまらなかったんです。うわ! 私今出血してる! って。帰国子女だった姉の影響で、当時は今以上に超少数派だったタンポンをいち早く使い、生理を乗りこなしてる感もありました。でも働きだしてからはPMSがひどくなり、周期も14日と明らかな月経過多状態。まずいと思ってピルを飲んだけど吐き気がひどくて合わないし、漢方の効き目もいまいちで、ホルモンに振り回される人生嫌だ生理なくなれ、という心境に。

 考えてみれば、いつも生理前か生理中か生理後で、なんでもない時ってのがないんですよ。二人の息子の出産を終えてからは「いやもう排卵いらねえし、内膜の準備もしなくていいから!」って思ってました。そんな私の文句を聞いた知り合いの産婦人科医の方が「ミレーナ」をすすめてくれて入れたのが数年前のことです。

 「ミレーナ」とは「子宮内黄体ホルモン放出システム」というもので、黄体ホルモンを出し続けるT字形の器具を子宮に入れることで、月経痛・月経過多を軽減し、避妊できるんです。これを導入してからというもの、本当に体調が安定しました。

「自分に合った生理との付き合い方ができるといいですよね」
「自分に合った生理との付き合い方ができるといいですよね」

「ピルは避妊のためじゃありません!」と言わずにいられない女たち

 ピルには偏見があると思うんですよね。ピルを飲んでいる=遊んでる、とか。こういう子宮周りの話ってデリケートで大切にすべき話なのに、なぜか女性自身が生理をコントロールすると、「セックスしまくりたいからだ!」みたいな目で見られている気がして。女性の性は男性に供出するためにあるもので、あくまで受動的であるべきなのに、自らコントロールしようとするとは、きっと男を裏切って良からぬことをしようとしているに違いない! って決め付ける人もいるんですよね。返す言葉は一つだけ「お前の子宮じゃねえわ」です。

 そんな空気に負けてつい「これは月経痛緩和のためであって、断・じ・て、避妊のためじゃありません!」と言ってしまう人もいるでしょう。生理や排卵をコントロールすることにどこか後ろ暗い気持ちや恥ずかしさがあるのかもしれません。

 でも、自分のことを自分で決めるのは何にも悪いことではありません。自ら策を講じなければ、男性にすべてを委ねることになってしまうからね。もちろん、子宮周りのことを話すのが負担になる人もいるので、誰もがオープンでなくちゃいけないとは思いません。でもやっぱりカップルは、生理のこととか、避妊についてオープンに話せる間柄であってほしいなと思います。将来的には妊活にも関わってくることですからね。

 妊活ってとんでもなくあけすけな話で、「今日排卵するからセックスしましょう」ってLINEでやり取りすることもある。でもいきなりそんな話ができる関係になれるかといったら、やっぱり鍛錬が必要です。だから月に一回、パートナーに自分の体調をオープンにすることを習慣にしておくといいと思います。