「そんなこと自分で考えろ!」と言われることは分かっている……。だけど、モヤモヤと考えてしまうささいなことを、小島慶子さんにぶつける本連載「小島慶子さんにこんなコト聞いちゃいました」。今回は、11月の結婚式シーズンに向けて、結婚式にまつわるささいな疑問を聞いてみました。

Q.友人・知人・職場の人の結婚式、誘われたら行くべきでしょうか? 小島さんがこれまで参加した、印象に残っている結婚式についても教えてください。

断っても、フォローすれば気まずくない

「私なりの、出欠の判断基準がありました」
「私なりの、出欠の判断基準がありました」

 最近では11月が結婚式シーズンだそうですね。読者の皆さんもこれまでにさまざまな結婚式に参加されてきたことでしょう。

 勤め人の人だと好き嫌いにかかわらず、お付き合い上、披露宴に呼んだり呼ばれたりすること、ありますよね。

 私の年になると離婚する人はいても結婚する人はそうそういないからちょっと事情が異なりますが、結婚ラッシュだった頃の出欠の判断基準は、自分がその人の幸せになる姿を見たいと思う人か、もしくはこちらの披露宴にも間違いなくお呼びするであろう間柄かどうかで判断していました。

 断るときは祝電を打ったり、ギフトを買ってその子の職場に直接届けに行って「ごめんね」をしたり。そうフォローしておくと後々気まずくないし、出費としても3万円出すより5000円のギフトのほうがよっぽど安く済む。それにお手紙を付けて直接渡すと気持ちも伝わるし、そうやってしのいでたなあ。

 私が結婚式に最も呼んでいただいていた時期は今から20年ほど前、25~30歳くらいまでの間です。その頃は週末ごとに披露宴という月もあって、ご祝儀を捻出するためにキャッシングをしたこともありました。お年ごろだったから着飾りたくて、ヘアメイクや衣装代もケチれなかったしね。

 そんな財布すっからかんの状況に思わず黒い気持ちが湧き上がり、「お金もなくなる上、祝い事を素直に喜べない自分の汚さまで自覚させられるなんて……二重に憎い……」みたいな心境になったこともありました。

 でも今は会費制の披露宴も増えたから、金銭的なハードルは下がったのかな。そうそう、最近ではWeb上で式の出欠をとったりご祝儀のやり取りまでできるんですね。先日久しぶりにお呼ばれした披露宴でそんな最新式の方法が取られていて感心しました。

「お気持ちを【プラス5000円】で」と言われたら

 幸せな気持ちにさせてもらった式が大多数でしたが、「むむむ」と思ったこともあります。

 もやもやが残ったその披露宴は1万円の会費制だったんですが、招待状にこんなことが書いてあったんです。

私たちへのお祝いにプレゼントをと言ってくださる方も多いのですが
海外への引っ越しを控えているため辞退させていただいております
もし今回プレゼントを考えてくださる方がいらっしゃいましたら
【会費プラス5000円】でお気持ちをいただければと思います
いつも二人を応援していただきありがとうございます


 こうなると「会費プラス5000円」を選ばなかった場合、もれなく「プレゼントをケチった人」と思われてしまいそうですよね。「いい人だと思われたい」という人の気持ちを巧みに利用した高度な文面に、モヤッとした感情を抱いてしまいました。だったら最初から会費1万5000円でよくない? なんて、うがった見方ですかね。

 あと、マイナスの意味で印象に残っているのが、長過ぎる披露宴。過去の最長記録では、所要時間なんと4時間ですよ。おめでたいことなのに申し訳ないですが、終盤のほうはもはや覚えていません。人は長過ぎる祝宴の場合、記憶とともにお祝いの気持ちも失うようです。

 知人の話ですが、有名人をわんさか呼んでその様子をSNSで発信した新婚カップルも。それ自体は悪いことではないのですが、出席した私の知人は、急に呼ばれたのでいぶかりつつ出席したところ自分が「いいね!」のための小道具として会場にレイアウトされているのではないかと気付き、げんなりしたそうです。

 ソーシャルな時代ですから、自分たちの結婚式が拡散することに意識的であろうとしたらいろんなことができるんでしょうけど、感謝を示すていで自分たちの宣伝に使おうというのはいただけません。場数を踏んできた大人たちは、そんな魂胆すぐ見抜くぞ。