老後資金を準備する方法として注目されている「個人型確定拠出年金」(通称、iDeCo)。実は、今年はiDeCoを検討するのにとてもいいタイミングなんです。iDeCo を2018年から考えるメリットについて、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにお話を伺いました。
第2回「FPに聞いた! タイプ別・iDeCoの始め時」
第3回「iDeCoで課税されるケースは? 始める前の注意点」
第4回「iDeCoの掛け金はいくらにすべき? <正規雇用編>」
第5回「iDeCoの掛け金はいくらにすべき? <非正規雇用編>」
第6回「個人型確定拠出年金を2018年から考えるメリットとは」(この記事)
2018年からは「年単位」で積み立てられる
――昨年の2017年は、iDeCoの話題をあちらこちらで耳にしました。2018年は何か変化がありますか?
はい、2018年は「年単位で積み立てができる」という大きな変化があります。
昨年は、それまで対象外だった専業主婦や公務員でもiDeCoを利用できるようになり、国民の「ほぼ全員」が利用できるようになった点が話題になりました。2018年からは、iDeCoは毎月積み立てていくだけでなく、「年単位で上限金額の中で利用できる」という仕組みが追加されています。
月単位から年単位になると何が変わるかというと、まずは手数料が下がります。月々の場合は積み立てるたびに手数料がかかりますが、年に数回積み立てることになれば、積み立ての回数が減るので、その分、手数料も下がります。これまで手数料が気になって始められなかった人にとってはうれしい仕組みですね(ファイナンシャルプランナー風呂内亜矢さん、以下同)。
――年単位であれは、ボーナスから支払うことができますね。
そうですね。例えば「年間24万円」積み立てる場合、毎月2万円を月給の中から積み立てるのは大変という方でも、ボーナスを使って1年で合計24万円なら準備できる、ということはあると思います。
また、残業代や勤務時間数などにより、手取り月収が月によって大きく変わる方もいるかと思いますが、手取りが多い月に「iDeCo用口座」などによけておき、その口座から、年に1回だけiDeCoにお金を積み立てるという方法も考えられます。
毎月積み立てるのではなく、年単位で考えることで、よりiDeCoが利用しやすくなりそうです。特に自営業の方の場合は、月の収入というよりも、年収で考えている方が多いでしょうから、始めやすいかもしれません。