東京の真ん中に位置する皇居。実は、手つかずの自然が残る、貴重な場所なんです。――皇居と皇室にまつわる「知られざる真実」を、数々の皇室番組を担当してきた放送作家のつげのり子さんに教えていただきました。
■秘話その3
「バナナのベーコン巻」って? 皇室の方々が召し上がっている料理とは…
ドラマ「天皇の料理番」が人気を博し、昭和天皇の料理番だった谷部金次郎氏が出したレシピ本も売れ行き好調とのこと。両陛下を始め、皇室の方々は、一体、どんな料理を召し上がっているのでしょう?
宮内庁大膳課という部署に所属する料理人が作ること以外は、普通の人と変わりない、家庭料理です。贅沢な物を口にしているわけでもありません。
ただ、天皇の料理番が作るのは、手間暇を惜しまず、材料を徹底的に使いきり、出しもうま味調味料などは使わない、元祖スローフード。
たとえば、前日にアマダイの蒸し焼きを出したら、翌日はアマダイの頭で出しをとった潮汁にする。「一物全体食」といって、食材を全部使うことで、栄養バランスが偏らないようにする。――といった具合です。
そもそも、皇室の食材費は税金によるものなので、決められた予算の中でやりくりしているのです。
天皇皇后両陛下の朝食は、昭和天皇の時代から、特別なことがない限り、洋食。明治以降、食生活が洋風化されたためもあるもかもしれません。

――市販のバナナにベーコンを巻き付けて、フライパンでソテーすれば完成(編集部・N)
さて、昭和天皇がお好きだった、意外なメニューがあります。
それは、「バナナのベーコン巻ソテー」。お気に入りで、肉料理のときに、これを添え、召し上がっていたといいます。
天皇家の食卓は、食物を大切にし、古き良き日本の食の真髄に貫かれているのです。