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川島なお美さん、北斗晶さん…がん報道を機に今こそ考えたい、がんとキャリアのこと

2015年9月25日

2度のがんを経験したキャリアカウンセラー砂川未夏さんインタビュー

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 川島なお美さんの訃報、北斗晶さんの乳がん手術と、今週に入って先輩女性たちのがん報道が相次ぎました。日本人の2人に1人ががんになる時代。「まだ若いから」「自分はがんにならない」と避けていても、誰もがいつがんになってもおかしくはないのです。明日働けなくなるかもしれないリスクに備えるには? たとえ病気になっても前向きにキャリアを築いていくには? 20代で血液のがん、30代で乳がんと2度のがんを経験し、現在はキャリアカウンセラーとしてがんを経験した女性のキャリア支援などの活動を行っている砂川未夏さんに、ご自身の経験から得た、病気とキャリアとの向き合い方をうかがいました。

――20代でがんを経験されたそうですが、その経緯を教えてください。

 健康診断で異常が見つかって、29歳のときに悪性リンパ腫という血液のがんと診断されました。今思えば、咳や微熱などの不調を感じていたのですが、当時は「風邪かな?」くらいにしか思っていませんでした。なんとなく首のリンパが腫れて、のどがつかえる感じもあったのですが、半年くらいで5キロ太ったので、そのせいだと思っていたんです。

キャリアカウンセラー 砂川未夏さん
大手外資系カフェチェーンなど流通業界での勤務を経て、2007年にキャリアカウンセラーの資格を取得。現在、フリーのキャリアカウンセラーとして、企業、行政、大学で若年者、女性を中心にキャリア支援や就転職支援を行う。がん情報ナビゲーターの認定資格も持ち、がんをはじめとする有病者の就労支援にも力を入れており、大田区内を中心に「がん経験者のためのパワーチャージカフェ」を実施している。キャンサーキャリア-Cancer Career-より情報発信中!

 検査してみると、のどから首、脇にかけてと、胸に心臓がもう一つできたと思うくらいの腫瘍がレントゲンに映っていました。病理検査で「ホジキンリンパ腫」と診断され、5ヵ月間の化学療法(抗がん剤)と放射線治療をして、職場に復帰することができました。治療が終わったら5キロ減っていたんですよ。

――告知を受けたときはどんな心境でしたか?

 よく言われるように、本当に頭が真っ白になりました。自分のことではないように遠く感じて、そのあとの説明は何にも頭に入りませんでした。腫瘍が見つかってから結果が出るまでの3週間は先がわからない恐怖に襲われ、がんと診断されてからも、夜になると勝手に涙がどんどん出てきて、一人でずっとさめざめと泣いていました。でも、家族の前では泣けなくて……。家族の中心を担っている働き盛りの女性ががんになるとは、そういう面があると思います。

――治療中は半年くらい休職されていたのですよね。やはり不安でしたか?

 当時はハードに働いていたので、通院しながら働くのは難しいと思い休職しました。29歳という、ちょうど仕事が面白くなってきた時期に、突然働かなくなって、それでも会社は動いている。「私は何のスキルもないのに戻れるのだろうか」と治療中もとても不安になりました。

 だから、治療中の希望は仕事に戻ること。上司の「待っているよ」というひと言を支えに、無心に乗り切った感じがします。治療後は、既存の制度を応用して、時短勤務から職場復帰をすることができたのですが、上司の理解職場に柔軟性があったことが大きかったですね。


砂川さんと考える
<病気とつきあいながら働き続けるために企業に求められること>

 がんが治る時代になってきて、治療と仕事の両立が社会的にも課題になっています。企業に求められることは?

・支援制度の整備と活用
「医学が進歩したことにより、私のような職場復帰や治療をしながら働き続ける方が増えています。ただ、現状では職場の理解不足による解雇や、迷惑をかけたくないという自主退職もあるのが実状。特に中小企業の理解が今後の課題です。本人の意向を汲んで働くバックアップ体制が整うこと、そしてそれが利用できる環境であることも大切です」

・柔軟な個別対応
「乳がん一つをとってもタイプは何種類もあり、一人ひとり症状が違いますから、できることがみんな違うんです。私の場合のように、復帰のための既存の制度がなくても、休暇制度や時短制度など他の制度を上手に活用し、休職や復帰に向けて仕事を調整するなど、ケースごとに柔軟な対応が求められます。病気を機に、選択肢はいろいろ。会社の人事担当者や上司の方には“本人がどうしたいのか”丁寧に耳を傾け、『無理なく働きながら治療をする』という前向きな可能性を探ってもらいたいですね」
砂川さんと考える
<もしも職場の同僚が病気になったら・・・>

 がん=死というイメージや誤解もまだまだあり、周囲への伝え方も迷ったといいます。もし職場の同僚が病気になったら、周りはどう接すればいいのでしょうか。

・いつもと変わらない対応と小さな配慮
「“がんばって!”と言われても“これ以上どうすればいいの”という気持ちになりますが、いつも気にかけてくれる人が近くにいると感じられると、力になります。いつもと変わらず接しながら、さりげなく応援していることを伝えられるとよいと思います」

・寄り添って話を聞く
「自分も“働いていいのだろうか”と思いますし、相手の偏見や誤解が重なると余計に病気のことを言えなくなります。病気になってどう過ごしたいかは人それぞれ。価値観を押し付けず、思いを尊重しながら話を聞いてもらえると気持ちが楽になります」

・病気を正しく理解する
「がんと聞いて過度に驚かれたり、特別に扱われることを恐れて周囲へ話せなくなったことがありました。がんは誰でもなりうる病気で、うつるものでもありません。治療をすれば治るがんも増えています。がんの種類によっても大きく違うので、その人のがんの種類や症状などを正しく知ることから始めてほしいです」

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