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「爆風」の衝撃――脳に「見えない傷」を負った兵士たち

2015年2月27日

見えない傷と闘う兵士~『ナショナル ジオグラフィック 2月号』より

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空軍軍曹(退役) ロバート・ウェスター
2007年と2008~09年にイラク、2010年にアフガニスタンに駐留
「(爆弾処理は)究極の肝試しだ……一つでも手順を誤れば、ほぼ確実に死ぬ。しかも、防護服の重さは45キロもあるから、作業の一つひとつに手間取る……それにストレス。自分がやる作業を考えると、恐ろしく緊張するんだ。しかも、辺りは静まり返り、処理現場まで歩いて行くのに1時間もかかるような気がする」(Photograph by Lynn Johnson)
※顔を隠す仮面は、芸術療法(アートセラピー)の一環で制作したもの。

14年間で23万人の米兵が戦地で脳を損傷

 2001年から2014年までの間に、軽度の外傷性脳損傷(TBI)と診断された米軍の兵士と退役軍人はおよそ23万人にのぼる。その大半は爆発現場に居合わせた兵士で、頭痛、運動障害、睡眠障害、めまい、視覚障害、耳鳴り、情緒不安定、認知・記憶・言語の機能障害など、さまざまな症状に悩まされている。こうした症状は心的外傷後ストレス障害(PTSD)とよく似ている。しかもアフガニスタンとイラクでの米軍による軍事行動では、当初の数年間、兵士が爆発の場に居合わせたことは記録されなかった。こうした事情により、TBIに苦しむ帰還兵の正確な数はわかっていない。

 多くの帰還兵がこうした症状に苦しんでいるにもかかわらず、TBIについてはごく基本的な事柄もわかっていない。診断基準は確立されていないし、予防法も治療法もわかっていない。何より、爆風による損傷(爆傷)の性質についても、爆風の衝撃で脳に損傷が起きるメカニズムについても、専門家の一致した見解がないのが現状だ。

 1回の爆発はほんの一瞬の出来事のようにも思えるが、細かく見ていくと、実際にはいくつかの現象がほぼ同時に起きており、それによる被害を4つに分けることができる。まず、点火により化学反応が起きて、ガスの球が瞬時にふくれ上がり、周囲の空気を押し出しながら音速を超える速さで膨張する。この衝撃波を受けたあらゆる物体には、高い圧力がかかる。人間が反応できないほどの短時間に起きるこの現象が、「1次爆傷」と呼ばれる損傷をもたらす。TBIは1次爆傷とみられるが、その原因についてはさまざまな説が提唱されている。

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