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【江川紹子寄稿 後編】ろくでなし子&北原みのり問題 あの作品は「性欲を興奮せしめ…」るのか

2015年4月15日

個人の表現活動に官憲が立ち入り、刑事罰をもって制約を課すということ

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 自身の女性器の3Dプリンタ用データを配布・陳列したとして、わいせつ物頒布やわいせつ物陳列の罪に問われた、ろくでなし子さん。今も議論が絶えないその逮捕・起訴の是非を巡る問題について、ジャーナリストの江川紹子さんに寄稿していただきました。前編に引き続き、後編をお届けします。

ろくでなし子さん。保釈後、2014年12月26日に行われた記者会見にて

今回の3Dプリンタ用データ送信が、エロ写真頒布と異なる点

 前編では、「わいせつ物」認定に関する3つの疑問の呈したうえで、捜査機関はそうした疑問を一切無視して、無理やり「わいせつ物認定」しているような気がしてならないという話をしたが、では、3Dプリンタ用データの送信はどうだろう。

 これはもう少し微妙かもしれない。過去には、たとえばこんな裁判例がある。

 ホストコンピュータに男女の性器、性交場面などを露骨に撮影したわいせつ画像4182枚分のデータを記録し、インターネットを通じてアクセスした有料会員に、画像をダウンロードさせていた業者が、わいせつ物公然陳列罪に問われた事件だ。最高裁は、決定の中で「わいせつな画像データを記憶、蔵置させたホストコンピュータのハードディスクは、刑法175条が定めるわいせつ物に当たる」と認定している。

 ろくでなし子さんに対する強制捜査には、こうした裁判例を元に、3Dプリンタという新しい技術を利用したわいせつデータの頒布が流行る前に、くぎを刺しておきたい、という捜査当局の意図がうかがえる。

 ただ、3Dプリンタでデータを成形しても、それは女性器そのものを再現するのではなく、プラスチックなどの極めて無機質な素材で形状を表すだけだ。彩色を施すなどして女性器をリアルに再現し、それを頒布するならともかく、単に形をだけのプラスチックが、人をして「性欲を興奮又は刺激せしめ…」るものと言えるだろうか? ここが、いわゆる「エロ写真」の頒布とは大いに異なる点だ。

 仮に、受け取った人がそれをリアルに彩色し、人に頒布していたとしたら、それが警察の捜査の対象となり、ろくでなし子さんが事情を聞かれたり、場合によっては共犯者として扱われることも、理解できる。しかし、今回の場合、受け取った側は誰も罪に問われておらず、そのようなことはなかったのだろう。

 ろくでなし子さんは、この3Dデータを使ってボートなどの大型「作品」を作ろうとしていた。それも、「ポップでカジュアルな」という「デコまん」制作の延長線上にある活動である。彼女がデータを送った相手は、そうした活動やその趣旨に賛同し、寄付までした幾人かの人たちだ。

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