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年末年始のひととき、アートに触れる―世界の短編アニメーション・珠玉の5本【後編】

2014年12月30日

こたつでのんびり見る短編アニメ

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注目すべき作品が生み出されるようになった世界の短編アニメーション。

日本の作家が海外の舞台で活躍するというニュースも耳にします。

動画サイトの流行で、いま、たくさんの作品が気軽に観れるようになりました。

ただ見るだけでも面白いけれど、意味がわかればもっと楽しい! ということで、

アニメーション研究・評論をしている土居伸彰さんに解説をして頂きました。

土居さん&編集部おすすめの10本を、2日間に渡って紹介していきます。

年末年始のひととき、ぜひ世界の多彩なアニメーションに触れてみて下さい。前編はこちら

ベッキー・スローン&ジョゼフ・ペリング
『抱きしめないでこわいからpart.1』

――これは意味がわからなかったのですが、なんとなく面白いですね。どんなあらすじなんでしょうか?

 これは教育番組のパロディなんです。セサミストリートを記憶スケッチした感じのキャラクターたちが出てきます。誰もが昔見ていた教育番組が、大人用にちょっとビターになって帰ってきたという感じでしょうか。

 このシリーズは3作品目まで発表されていて、これが1作品目です。毎回違ったキャラクターが「先生」として登場して、それを「赤いやつ」と「黄色いやつ」と「青いやつ」の3人の定番キャラクターたちが「生徒」として、いろんなことを学んでいく形式です。

 この1作品目のテーマは「クリエイティブってなんだろう?」。雲を見ながら、先生「何が見える?」、生徒「何も見えない」、先生「よく見てごらん、帽子に見えるね」といったやりとりをしています。

――「クリエイティブってなんだろう?」という授業らしいやりとりですよね。でも、途中から少しずつおかしくなっていきますが……。

 そうなんです。生徒が上手にピエロを描いても、「そこまでクリエイティブなことすんなよ」って黒いインクを流されたり、緑を使おうとすると、「緑はクリエイティブじゃないからダメ」って言ったりとか。

(c)Joseph Pelling & Becky Sloan

――そんなダメ出しは“クリエイティブ”なこととは矛盾していますね。

 いま、「クリエイター」と名乗るクリエイティブ職の人たちって、ちょっと胡散臭い人も中にはいるじゃないですか。この作品には、そういうのを揶揄しているところもあって。

 よく、「クリエイティブになるにはこうしましょう」みたいな方式がありますが、そういうクリエイティブの「ハウツー」に従うことって、本当にクリエイティブなのか?という疑問を提示している作品でもあるんです。

 この作品は、無能な先生についてしまうことの悲劇を語っているともいえます。後半で生徒たちは完全な自由を与えられるわけですが、きちんとガイドされないのでおかしなことになっていく。先生に「Dで何が思い浮かびますか?」と聞かれても、「DEATH」しか思い浮かばないという(笑)

 「クリエイティブ」っていう言葉を使う人たちの胡散臭さとか、「クリエイティブ」という言葉に振り回されて人生が狂ってしまったり、変なことをはじめてしまったりする人がいたりする状況への皮肉が感じられます。

(c)Joseph Pelling & Becky Sloan

――最後は混沌としてきますね……。

 オチは、先生が「これでわかったよね? 君たちみんなクリエイティブに向いてない」って言うんです。でも、これって、先生が責任を放棄してるだけ。やっぱりこの先生、無能なんです。

 本当の意味でクリエイティブになれたかもしれない人が、「クリエイティブになろう」という「ハウツー」があるせいで、その可能性を発揮できないまま終わってしまう……そんなビターな真実を教えてくれる、大人のための教育番組なんです。

――ちなみに、なぜ『抱きしめないでこわいから』というタイトルなんでしょうか。解説を聞いて、よけいにわからなくなりました。

 なんででしょうね。僕もわからないんですけど、原題の『Don't Hug me I'm Scared』を意味通りに解釈するなら、「怖いからもう触らないで……!」という感じでしょうか。キャラクターたちは世界に怯えていて、そこに付け込んでくる人たちのお話、ということかもしれません。

――なるほど。そういう人、現実にもいますもんね。

 そういえば先日、この作品の監督のひとりであるベッキーさんが日本に来て、新宿歌舞伎町のロボットレストランに連れていったんですよ。

――おお! ベッキーさんは楽しんでいましたか?

 楽しんでましたね。彼のインスタグラムを見ると、アニメに出てくる「赤いやつ」が、新宿のロボットレストランの前で映ってる写真がありますよ。ちなみに、その写真の「赤いやつ」の中に入っているのは僕です(笑)。「中の人」のことは言わないで! って言われたんですが、言っちゃいました(笑)。ヤバイかも。

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