日本でも、パーティーなどで少しずつ定着しつつあるハロウィン。
でも本場アメリカでは、どんな行事で何をするのでしょうか?
現地からのレポートをお届けします!
●巨大なカボチャの買い物から始まる
木々が色づき、秋が深まり始めたころ、アメリカの国民的行事ハロウィンの準備が本格的に始まる。ハロウィンの1カ月ほど前から、スーパーには直径40cmほどのオレンジ色の巨大カボチャがゴロゴロと並び、大きなカートに1~2個、時には4~5個のカボチャを入れる強者が見られる。女性は両手で持ち上げるのがやっとという巨大なカボチャだが、価格は$4~7ほどとそれほど高くはない。
ハロウィン本番の1カ月前にカボチャを買うなんてと最初は疑問に感じたが、購入したカボチャは、そのまま涼しい玄関前に置いておけば、腐れる心配もないし、それだけで立派な秋のデコレーションになる。
こうして用意しておいたカボチャは、ハロウィン直前の週末に家族や友人と集まって、定番の“ジャック・オー・ランタン”など、思い思いの形にくり抜かれて楽しまれる。家族単位、カップル単位で集まるパーティーの多いアメリカだが、このパンプキンカービング会には、各々が手作りの料理を持ち寄り、シナモンやパンプキン風味の暖かい飲み物やワインなどを飲みながら楽しく語らう。
ハロウィンというと、派手派手しい仮装パーティーのイメージが強いが、実はこれから到来する冬を前にした家族の大切な行事でもある。
では、そんな家族行事になぜ幽霊や悪魔などのおどろおどろしい仮装やデコレーションをするのか。ハロウィンには、どんな宗教的意味があるのだろうか。
実はここアメリカでも今では、ハロウィンはそれほど宗教的な意味を持たないという。ハロウィンの準備に忙しいアメリカ人に宗教的な意味を問うてみたが、はっきりとした答えが返ってきたことはないほどだ。
彼らから聞いた曖昧な答えを集約すると、「もともとは、収穫の時期に邪悪な霊を追い払うためにやっていたお祭りらしい――」ということだが、意味はどうあれ“楽しい”ことが最優先! アメリカらしいといえばアメリカらしいが、今ではすっかり娯楽的、商業的な色が濃いイベントとなっているのが現実らしい。