ゼリーやババロアをつくるときにおなじみのゼラチン。実は、そのほかにも様々な料理に使えます。ゼラチンを使った簡単&ヘルシーな料理をご紹介しましょう。
その前に、ゼラチンについて、ちょっと解説したいと思います(以下、東京農工大名誉教授の藤本大三郎さんのお話です)
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ゼラチンは、コラーゲンを分解したもので、成分は大部分がタンパク質です。ゼラチンはお湯に溶けますが、冷やすとゼリー状に固まる性質があります。
ゼラチンを摂ることはコラーゲンの補給になりますが、摂取したゼラチンがそのまま体内に取り込まれるわけではありません。胃や腸で分解され、アミノ酸やアミノ酸が2~3個つながった小ペプチドの形で吸収されます。この小ペプチドの中に、コラーゲンの合成を活発にしたり、血液循環をよくしたりするものがあることがわかってきました。
さらに、コラーゲンを体内で合成するには、グリシンとプロリンというアミノ酸を必要とするのですが、ゼラチンにはこの2つのアミノ酸も多く含まれています。
では、1日どれくらいの量を摂ればいいのでしょうか?
摂取量は決まっていません。ゼラチンはたくさん摂っても、代謝されてしまいます。少しずつこまめに摂ることは大切ですが、多く摂ればよいというものではありません。
ゼリーばかり食べ続けるのば難しい気がしますが、ゼラチンは固める以外にも料理に役立つのでしょうか?
ゼラチンには保水性もあるので、パンケーキの生地やご飯をしっとりさせたり、ハンバーグなどのうまみを閉じ込めてジューシーに仕上げたりもします。食感が変化することにより、おいしさアップにも役立ちます。
それでは、おいしいゼラチンレシピをご紹介します。
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昆布だししょうゆで
◆冷たいキムチ納豆うどん
【材料】(2人分)
<昆布だししょうゆジュレ>(作りやすい分量)
粉ゼラチン……1/2袋
熱湯……………大さじ3
昆布茶…………小さじ1/3
しょうゆ………大さじ3
納豆……2パック
キムチ(粗みじん切り)……80g
ゆでうどん……2人分
万能ねぎ(小口切り)……適量
昆布だししょうゆジュレ…適量
【作り方】
1.昆布だししょうゆジュレを作る。熱湯に粉ゼラチンと昆布茶を入れてよく溶かし、しょうゆを加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やし固める。
2.うどんは湯通しして流水で洗い、水気を切って器に盛る。
3.納豆、キムチ、くずした[1]、万能ねぎをのせる。
トマトジュレで♪
◆フルーツトマトのジュレパスタ
【材料】(2人分)
<トマトジュレ>(作りやすい分量)
粉ゼラチン………1袋
顆粒ブイヨン……少々
熱湯………………大さじ2
トマトジュース…1缶(190cc)
塩…………………小さじ1/2
フルーツトマト…小2個
カッペリーニなどの細いパスタ……120g
オリーブオイル……大さじ2
バジルの葉(細切り+飾り用)……6~8枚
コショウ……少々
トマトジュレ……適量
【作り方】
1.トマトジュレを作る。顆粒ブイヨンを熱湯に溶き、粉ゼラチンも混ぜて溶かす。トマトジュースと塩を加えて混ぜ、小さく切ったフルーツトマトを加えて、冷蔵庫で冷やし固める。
2.1%の塩(分量外)を加えたたっぷりの熱湯でカッペリーニを少しやわらかめにゆで、氷水で冷やし、水気を切って器に盛る。
3.[2]に[1]とオリーブオイル、バジルをかけ、コショウを振る。