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母からの呪縛に悩むシングル女性の心の叫び

2013年8月17日

【30歳から始める親との関係】本当は愛してほしいだけなのに…

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働く母を夜遅くまで1人で待ち続けた夜、

姉妹の中で自分ばかり責められ続けた幼い日々…。

つらい日々の記憶が残っていても、母に自分を受け入れてもらいたいと願う娘。

そんなせつない思いを抱えた読者の生の声をルポにしてお届けします。

深夜、ごはんを作って母の帰りを待ち、
寂しさに髪の毛を抜き続けた幼少時代。
それでも、母は私の自慢で憧れだった

母は憧れと孤独の両方を私に抱かせた

 「周囲に尊敬されてイキイキと働く母は私の一番の憧れ。その一方で、私は幼いころから母に迷惑をかけないようにと、母の顔色をうかがって過ごす娘でした」

 大学病院の看護師長だった母は、同級生の母親よりも若くて輝いて見えた。京子さん(30歳・薬剤師)は幼いころからそんな母を誇りに思っていた。

 しかし、母は同時に一人っ子の自分を寂しくさせる存在でもあった。多くの部下が母を頼り、深夜に自宅まで相談にやってきては「師長さんじゃないと回らない」と泣きつき、さらに母の仕事量は増えていった。父親は会社員だったが、心臓に持病を抱えながら遅くまで働き、いつも疲れていた。

 母の助けになればと、小学校に上がったころから、毎晩ごはんを作るようになった。深夜疲れて帰宅する母は喜んでくれた。

 「作れと言われたことはなかったけど、母に必要とされたかったのかもしれません」

 入退院を繰り返す父を支えながら、部下たちの全信頼を得て働き続ける母が、父親にも隠れてタバコを吸っている姿を見たときは「ほら、やっぱりお母さんだって、つらいんじゃない!」と、母ばかりを頼る看護師たちに腹立たしい気持ちを覚えた。一人で頑張ろうとする母を見ながら「私が母を守らなくては」と思った。

 忙しい母の迷惑にならないように、自分の話や甘えたい気持ちは出さないように過ごす。自分の寂しさにはふたをしたが「本当は友だちのようにお母さんと一緒に出かけたかったし、抱きしめられたかった。母に、自分の部下だけでなく私の話も聞いてほしかった」

 小学生のころ、無意識に自分の髪の毛を抜いてしまう抜毛症に。思えば母を求めての自傷行為だったのかもしれない。

 母が退職した後、遊びにきた元部下の看護師たちに「本当は、寂しくなかった?」と尋ねられたことがある。「もうちょっと(病院から)呼び出しがなかったなら、私は母と居ることができたのに」と、京子さんが初めて口にした本音に、母は泣いていた。

必要とされることが私の存在価値だった

 母と同じ病院で働きたいという夢を追いかけ、その病院の薬剤師になった。夢をかなえてからは恋もしたが、幼いころからの寂しさが京子さんの恋愛に思わぬ影響を与えた。

 仕事柄、医師や研修医との出会いが多い。付き合うようになっても、一緒にいる時間はあまり取れない。そんなとき「ごはん作ってあげるよ」「差し入れ持っていこうか」と、どうにかして世話を焼こうとしてしまう。

 「恋愛をしても相手の迷惑にならないように、いい子でいようと思ってしまうんです。彼から連絡が来ないと不安でたまらない。だから、役に立たなくちゃと思って、さらに世話を焼いてしまう」

 社会人になって何人かと付き合ったが、2、3カ月で「重たい」と言われて終わってしまう。すると、今度は「私が悪かったんだ、私は駄目だ」と自分を責めた。

 病院では、数年ごとに部署移動がある。慣れない生活の中でストレスをため、新しくできた恋人には、自分から甘えることもできず、必要とされたくて相手の役に立とうとして必死になる。そんな生活の中である日ふと「死にたい」と思った。限界だった。

 自分の勤める病院には分からないように、郊外の個人で開業している心療内科へ通いながら仕事を続けた。薬剤師という仕事柄、本気で死のうと思えば必要な薬は分かっていたが「でも、死ぬなら、誰かに必要とされてから死にたい。やっぱり、それは母のことなんでしょうね」。

 カウンセラーからも「あなたは、恋愛の相手にお母さんのような“忙しい人”を選んでしまっている。世話を焼くことで愛されようとしている」と言われ、ショックだった。

 いつまで母を求め続けるのか。心から自分を必要としてくれる人に出会えるのだろうか。

 母は、うつ病になった元部下に“自分で自分をコントロールができないようでは駄目だ”と言っていたが、娘がそうだと知ったらどう思うだろう。2年前に退職をしてから、少しずつ優しくなってきた母。そろそろ心療内科に通っていることを、母に打ち明けられるだろうか。

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