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知られざる中国の大運河

2013年5月16日

1400年前に作られた「狂気の偉業」、1800キロの大運河

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 中国の首都・北京と、経済成長著しい都市・杭州。その距離1800キロを結ぶ運河がある。京杭(ジンハン)大運河だ。だがその北半分は、40年近く前から水位が下がり、船は航行できなくなった。現在、商業の動脈として主に機能しているのは、華北の都市、山東省済寧から長江 (揚子江)までの520キロほどの区間だけだ。

ここ杭州と北京を結ぶ全長1800キロの京杭(ジンハン)大運河。はるか昔から多くの船がこの運河を行き来してきた。
Michael Yamashita/National Geographic

 この大運河を最初に築いたのは隋の煬帝である。中国の歴史家は、彼の行為を「狂気の偉業」と表現する。中国の主要な河川は、西から東へと流れているが、煬帝はこの地理的な制約を打ち破ろうとした。長江流域の肥沃な土地から北西に向けて米を運び、廷臣や兵士たちを養う必要があったのだ。

 宮廷の役人たちは、大運河の最初の区間を建設するため、農民を中心に男女を問わず推計100万人を動員。人々は休みなく働かされた。隋の公式記録によると、工事は紀元605年にわずか171日で完了したとされている。だが実際には、完成までに6年を要し、飢餓などで数えきれないほどの人命が奪われた。

 大運河は政治的に重要なシンボルであり、文化の伝達路でもあった。運河の水位を調整する閘門(こうもん)や堤防の視察に訪れた歴代の皇帝は、地方の暮らしぶりに目を留め、さまざまな文物を都に持ち帰った。

 現在、北京を代表する二つの文化は、こうしてもたらされたと言われている。山東省由来の北京ダックと、安徽省と湖北省発祥の京劇だ。京劇の役者たちは船で大運河をめぐり、旅回りの合間に各地の波止場で祈りを捧げた。詩人たちもまた、大運河に心動かされた。8世紀の詩人、張継は「楓橋夜泊」という有名な詩でこう詠っている。「夜半の鐘声 客船に到る」

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