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人を寄せつけない極北の“ガラパゴス”

2013年5月14日

世界自然遺産「ウランゲリ島」って?

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 霧が晴れた。北極圏のまばゆい光に照らされて、島の輪郭がくっきりと浮かび上がる。東西150キロほど。ツンドラの大地に点々と花が咲き、山々が黄金色に輝いている。

 「こんにちは。ようこそウランゲリ島へ!」

 監視員の声は、わざとらしく思えるほど明るい。太陽と人間との接触に飢えた若者のようだ。「1年のうち9カ月は、白、黒、灰色の3色しかありません。ここの冬は好きになれませんよ」

 ウランゲリ島は、1976年にロシアが管理する自然保護区に指定され、2004年にはユネスコの世界自然遺産にも登録されている。厳しい気候にもかかわらず、あるいはその気候のおかげで、ここには驚くほど多様な生物が生きている。極北のガラパゴス諸島と言っていいかもしれない。

 この島は、ホッキョクグマの世界最大の繁殖地で、冬には400頭もの母グマが子育てをすることがある。気候変動の影響で海氷が年々減ってきているため、最近では夏の居場所を求めてやって来るホッキョクグマもいる。またここは、タイヘイヨウセイウチの世界最大の個体群が生息する場所で、ハクガンのアジア唯一の繁殖地でもある。そして、シロフクロウやジャコウウシ、ホッキョクギツネやトナカイが暮らし、タビネズミと海鳥の大規模な個体群もいる。

卵を盗もうとして、威勢よくハクガンを巣から追い立てるホッキョクギツネ。ハクガンの群れは北米大陸で冬を越し、繁殖のために5月に島へ渡ってくる。
Sergey Gorshkov/National Geographic

 動物たちが大昔からこの地で生き延びてきた一方で、人間はそうはいかなかった。シベリア北東部の沖合140キロにあるウランゲリ島は、19世紀後半まで、霧に包まれた幻の存在だった。

 ウランゲリ島が大陸の一部ではなく、島であることを確認したのは、1879年に出航した司令官ジョージ・ワシントン・デ・ロング率いる米国の北極探検隊だ。だが、一行は島に上陸することはなく、乗っていたUSSジャネット号は、巨大な海氷に取り囲まれて2年間近く身動きが取れなくなった末、最後には沈没してしまった。

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