真木 どうなんだろう、面白いとは思います(笑)。恋愛対象として? そうですね、「艶のように愛されたらうれしい」と思う百々子の気持ちには共感しますね。
――艶については、どう思われましたか?

真木 もちろん、百々子は、自分の優にちょっかいを出されていたわけだから、快くは思っていないかもしれないけど、「艶って最悪。大嫌い! キーッ」みたいな感じにはなっていないんですよね。松生がいたから艶はあんな風に生きられた、というような百々子のセリフがあるのですが、それが全てを物語っていると、私は思います。
――百々子や艶以外のキャラクターで、気になる女性はいますか?
真木 台本を読んだときに、面白そうだと思ったのは、野波麻帆さんが演じた湊ですね。そのほかのパートも全部、魅力的なストーリーとキャラクターだと思いました。
――ちょっと納得できないと思った女性キャラクターは?
真木 それは、百々子ですねぇ。納得できないというか、理解するのが難しいキャラクターだと思います。
――もしも、百々子が友達だったら、どんな言葉をかけますか?
真木 「なんで、優なの?」と聞くと思います。そういう恋愛はやめちゃえばいいのにって思うし、自分だったら、きっぱりやめられますね。
――この映画の女性キャラクターの説明には、それぞれ、「愛を闘う女」「愛を確かめる女」「愛に寄り添う女」「愛を待つ女」「愛を問いかける女」「愛を包みこむ女」という言葉が使われていますが、真木さんはどれに一番近いでしょうか?
真木 そうですね、『問いかける』と『寄り添う』に当てはまっているような気がします。
――では最後に、当サイトの読者である働く女性たちに、本作を通して伝えたいことを教えてください。
真木 私は読者の方たちと同年代ですが、そのくらいの年齢の方たちが、特に楽しめる映画だと思います。行定監督が作り上げる世界観が素晴らしいし、見終わった後に、いろいろなことを語り合える内容だと思うので、映画館に見に来て、楽しんでもらえたらうれしいです!

(C)2013「つやのよる」製作委員会
公式サイト:www.tsuya-yoru.jp
出演:阿部寛、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶ
原作:井上荒野『つやのよる』(新潮文庫刊)
脚本:伊藤ちひろ、行定勲
監督:行定勲
配給:東映