肉や魚にない食物繊維で“快腸”に水溶性と不溶性の両方をとりたい

 お通じに直結する食物繊維は植物や菌類のみが持つ、難消化性の成分。
 トップの座は、水溶性と不溶性の両方の食物繊維を多く含む快腸野菜、ゴボウが獲得!

入手しやすい野菜を一度で食べられる量当たりの食物繊維総量(可食部分のみ)でランキングにした。(データ:五訂増補日本食品標準成分表)
※アボカドは果実だが、野菜と同様に調理されることが多いため、ランキングの対象とした。

 便通改善に不可欠なのが食物繊維。食物繊維は腸内環境を良好に保ってお通じを良くし、病気にかかりにくくしたり、肥満を予防したりする。積極的にとりたい成分だ。

 実際は食物繊維が不足している人が多い、と大妻女子大学の池上幸江名誉教授。日本人の食事摂取基準では成人女性の目標量は1日17g 。だが、「キュウリ2~3本分(約150~200g )の便が出るのを目安に、1日20gの食物繊維をとりたいですね」と池上名誉教授。

 不足しがちな食物繊維を豊富に含むのがお通じ力ランキングに名を連ねる野菜たち。1位は池上名誉教授が理想とする20gの4分の1を1食分(100g )でとれるゴボウ。興味深いのは、3位のアボカド以外はすべて加熱調理して食べる野菜で、レタスなどの淡色野菜はランク外なこと。

 「生でも食べられる野菜は概して食物繊維量が少なめ。生野菜サラダで食物繊維をとったつもりでも、必要量を満たせていないことが多い」(池上名誉教授)。ランクに入った野菜を中心に、蒸したり炒めたりしてカサを減らし、モリモリ食べたい。

 繊維の多い野菜には、ビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれる傾向があるのもうれしいところだ。

お通じ力アップ野菜を選ぶときのポイント

「火を通す野菜には繊維がたっぷり」

 キュウリなどのように生で食べられる野菜は大半が水分で、食物繊維の量は少なめ。お通じ力に直結する食物繊維が多いのは、火を通して食べる葉物野菜や緑黄色野菜だ。

「水溶性と不溶性両方の繊維をとろう」

 腸内細菌の餌となり、腸内環境を良くするのが水溶性。便のかさを増やし、スムーズな排せつを促すのが不溶性。両方の食物繊維を意識してとることでお通じ力がさらにアップ。

注目の野菜のプロフィル
ゴボウ

水溶性と不溶性 ふたつの食物繊維が便を増やして押し出す

 食物繊維を多く含む野菜の多くは不溶性の食物繊維に偏っているが、ゴボウは水溶性と不溶性の割合が2対3とバランスがいい、数少ない野菜の一つだ。ゴボウを水にさらすと出てくる茶褐色の成分、クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、血液をさらさらにし、生活習慣病を予防するほか、肌を美しくする効果も持つ。

有効成分を生かす調理のコツ

水さらしの時間は短めに
 クロロゲン酸と水溶性繊維を逃さないよう、カット後に水にさらす場合は極力短時間にしよう。

アボカド

繊維とオレイン酸が大腸をダブルで刺激 毒素を分解する作用も

 アボカドの食物繊維含有量は、果実中トップレベル。独特のクリーミーな味わいを生み出す脂肪が含むオレイン酸は、腸管を刺激して排便を促す効果を持ち、悪玉コレステロールを減らすメリットも。肝臓や血液中の重金属などの毒素を便とともに排出する解毒成分のグルタチオンや、体の水分量を調整するカリウムも豊富。

有効成分を生かす調理のコツ

ラップで密閉し、酸化を防ぐ
 酸化を防ぐため、一度で使い切れない場合はぴっちりとラップし、空気を遮断して保存する。

Profile
大妻女子大学
池上幸江名誉教授

国立健康・栄養研究所食品科学部長、大妻女子大学教授などを経て現職。野菜摂取と健康効果に関する調査をライフワークとする。「大麦を白米に加えて炊くと、不足しがちな食物繊維の摂取量を楽に増やせるのでお薦め」。
東京大学
上野川修一名誉教授

専門は食品免疫学。食物が腸管の免疫系を活性化させる仕組みに詳しい。「免疫の向上に動物性食品は不可欠だが、植物も食物繊維などほかにない成分を持つ。免疫を上げるには両方バランスよく食べたい」。
デザイナーフーズ代表取締役社長
丹羽真清さん

食品メーカーを経て1999年、デザイナーフーズを設立。野菜の抗酸化力を継続して測定しながら、食べ方の提案をしている。「抗酸化力に加え野菜の免疫力を明らかにするため、新しい実験系を確立しようと考えている」。