ザクロに、老化抑制に役立つ成分が含まれることがわかってきた。10月3日に米国ざくろ協会が開催したプレスセミナーで、森下仁丹および、岡山県立大学保健福祉学部栄養学科の伊東秀之教授らが発表した。ザクロに含まれるポリフェノールに、老化や疾患の原因になると考えられている「糖化」を抑制する作用や、長寿遺伝子を活性化する作用があるという。

 ザクロは古来、健康にいいと大切にされてきた果物。外皮を割ると赤い種衣に覆われた種(アリル)が詰まっており、この部分を食用とする。近年、この食用部をエキス化したザクロのエキスに、心臓血管系疾患や前立腺がんなどに効果があるとする研究報告があり、その機能性を担うのが主に種衣に豊富に含まれるポリフェノールだと考えられるようになってきた。

 伊東教授は、「森下仁丹との共同研究により、ザクロエキスにたんぱく質が糖と反応して変性する『糖化』を抑制する作用があることを確認した。その作用は、医薬品成分のアミノグアニジンより高かった」と話す。また、40~60歳代の女性10人に、1日にザクロエキス100mgを毎日12週間摂取してもらったところ、初期の糖化反応を反映する血中のHbA1cおよび糖化アルブミン濃度がザクロエキス摂取により低下し、皮膚に沈着しているAGEs(終末糖化産物)量は試験期間中増加が抑えられた。肌悩みなどの自覚症状にも改善がみられたという。「この機能を担うのは、ザクロに含まれるポリフェノールのエラジタンニンによる可能性が高い」と伊東教授は説明する。

 森下仁丹研究開発本部ヘルスケア開発部の西田典永氏は、「ザクロエキスには、接触性皮膚炎の改善作用やプレバイオティクス様作用があることもわかってきた」と話す。ザクロエキスの中でもエラジタンニンの一種、プニカリンという成分にビフィズス菌の生存を維持する作用があることを確認したという。また、九州大学との共同研究で、プニカリンなどのザクロポリフェノールに、長寿遺伝子と呼ばれるSIRT1の発現を増強する働きがあることも確認されている。「その働きはSIRT1を活性化すると注目を浴びているレスベラトロールよりも高い可能性がある」(西田研究員)。

 同社はさらなるザクロエキスの機能性研究を続けるとともに、年度内にザクロエキス配合の健康食品の発売を目指すという。

(日経ヘルス、堀田恵美)