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火山灰の中から蘇った悲劇の町ポンペイ

2015年9月22日

標高1281mのヴェスヴィオ山の噴火で、山文字通り一晩で滅亡したボンベイを知る

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南イタリア、カンパーニアの地に栄えた古代ローマ都市、ポンペイ。ローマをしのぐほど豊かで活気ある市民生活が営まれていたこの町は、火山の噴火により、一夜にして灰と泥土の下に没しました。そして18世紀初頭、偶然の発見によって姿を現すまで、1700年もの長きにわたり、噴火当時のまま地中に封印されていたのです。

町を一瞬で壊滅させた大噴火

 ローマ駅から電車に揺られ、ナポリ駅でヴェスヴィオ周遊鉄道に乗り換えるとまもなく、左手にそびえ立つ山が現れる。ヴェスヴィオ山。紀元79年8月24日、標高1281mのこの山は、天地を揺るがす轟音とともに火柱を噴き上げた。その高さ、約30km。成層圏の中ほどにまで達する高さである。

ポンペイの政治、経済、宗教の中心地だった公共広場。奥にそびえるのが、噴火によって町を滅ぼしたヴェスヴィオ山。(写真:photolibrary)

 時刻はちょうど午後1時という、のどかな昼下がり。だが、空には瞬く間に噴煙が広がり、ふもとにあったポンペイの町は一気に闇に閉ざされた。恐怖の叫びを上げながら逃げ惑う人々の頭上に、大量の火山灰と土砂が容赦なく振りかかる。

 未曾有の悪夢。だが、それもいずれ終わると信じて町に残った人々も大勢いた。そんな彼らに襲いかかったのが、翌朝に発生した、火砕サージと呼ばれる火山ガスだった。猛スピードで迫るガスに飲み込まれる人々。そして、噴火から19時間がたった時には、ポンペイの町は高さ6mにも及ぶ火山灰の下に埋もれていた。1万2000の人口を抱える町は、文字通り、一晩で滅亡したのである。

ポンペイの遺跡では、大噴火で逃げ遅れ、絶命した市民を石膏で復元したものも展示されている。

 時は流れて1763年、ポンペイの隣町のエルコラーノで、大理石の柱が出土。時のスペイン国王カルロス3世はその報を耳にし、一帯で"宝探し"を開始した。そして始まった発掘作業で、整然と区画された古代ローマの町並みが、埋没した当時の状態で姿を現したのだった。「灰の中から蘇った都市ポンペイ」----その知らせは、当時のヨーロッパ社会を騒然とさせた。

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小野 正惠
小野 正惠(おの・まさえ)
編集プロダクション、エイジャ代表。フリーライターとして、コスモポリタンほか女性誌や朝日新聞、毎日新聞などで執筆。1990年、株式会社エイジャを設立した。旅をメーンに歴史、文化などのテーマで編集・執筆に取り組む。主な作品は、『日本ユネスコ協会連盟 世界遺産年報』のほか、『週刊 ユネスコ世界遺産』『世界遺産夢紀行』『世界遺産検定公式テキストブック』『週刊 京都を歩く』『世界遺産なるほど地図帳』(以上講談社)、『ルネサンス街道の旅』(日経BP社)、『週刊 世界の博物館』『週刊 地球46億年の旅』(以上朝日新聞出版社)、『行って良かった!絶対見たい!世界遺産77』『仏像ワンダーランド』シリーズ(以上JTBパブリッシング)ほか多数。2011年にはアプリ制作会社のリンク・リンクを立ち上げ、世界遺産を中心にしたアプリを制作・販売中。
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