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働き女子のための法律相談所

【法律相談所】退職したその日に交通事故。保障はどうなる!?

2015年9月22日

労災と保険会社からの支払いの二重取りはできません!

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連載「こんなとき、どうなる? 働き女子の法律相談所」は、みなさんの日々の暮らしの中での素朴な疑問、質問、相談などにお答えする働き女子のための法律相談所です。今回は退職後の交通事故の保障についてアディーレ法律相談所の岩沙好幸先生が答えてくれました。

Question

 先日、同僚が退職するという事で退職日に送別会をみんなでしてきました。深夜まで飲み会は続き、12時を回ったのでもう帰ろうという事になり、外に出た瞬間、同僚が車にひかれました。同僚は救急車で運ばれ入院する事になり、同僚がひかれたのは12時を回ってからで会社との契約が切れており保険証がありませんでした。車の運転手のわき見運転が原因との事なので、治療費を払ってもらえるそうなのですが、同僚は国民健康保険の手続きを忙しくてまだしていません。高額な治療費になるかと思いますが、払ってもらう事はできるのでしょうか。(30代・女性)

 Answer

 同僚の方が事故に遭われてしまったのですね。それは心配ですね。そこで、同僚の方が、健康保険の手続きを取っていないので高額な治療を負担しなければいけなくなるのではないかと心配されているのですね。

 しかし、その点については大丈夫です。不法行為に基づく損害賠償請求権と言って、交通事故の被害者の方は加害者である運転手に事故によって発生した損害の賠償を請求することができるのです。もちろんここでいう損害には事故により怪我をしてその治療のために発生した病院の治療費も含まれます。同僚の方が健康保険の手続きを取っていなかったことを心配されているようですが、この不法行為に基づく損害賠償請求権を行使するには被害者の方が健康保険の手続きを取っていることは条件となりません。

 よって、同僚の方は治療費の全額を運転手の方に請求することが可能です。実際には運転手の方は任意の自動車保険に加入しているでしょうから保険会社から治療費を支払われることになると思います。

 また、この同僚の方は、労災から治療費相当額について給付を受けるということも考えられます。この場合、事故に遭われたのが厳密には退職の翌日であることから労災の適用がないのではないかということも心配になるかも知れません。

 ですが、本件のように事故に遭ったのが仕事の帰り道であった場合には、仮にそれが厳密には退職日の翌日にあたり労働契約の終了後であったとしても労災の適用には問題がありません。労災の適用のためには法律上通勤と言えることは条件となりますが、労働契約が継続していることは条件とはならないからです。

 もっとも、本件では法律上通勤といえるかどうかは問題となります。基本的に通勤といえるためには、必ずしも最短距離の移動である必要はありませんがざっくりいえば職場と自宅との往復の経路として不自然なものではない必要があります。本件では、職場から自宅にまっすぐ帰宅しようとしていたのではなく送別会に参加した後ということなので、店の位置が自宅と逆方向であったり、普段通勤に使っていた経路と大きく外れている場所にあったりすると法律上の通勤とは認められずそのことを理由として労災が認められない可能性はあります。逆に、この送別会が職場の主催する強制参加のものだった場合には、通勤と認められる可能性もありますね。

 なお、労災と運転手(保険会社)とで調整が行われるので、労災と保険会社からの支払いの二重取りはできませんので、迷った際には弁護士に相談してくださいね。

写真= jazzman / PIXTA

この人に聞きました
岩沙好幸
弁護士(東京弁護士会所属)
岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼い始めた。労働トラブルを解説した書籍『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)が発売中。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。

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