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働き女子のための法律相談所

【法律相談所】“ゆう活”という朝方勤務を推奨する動きに納得がいかない…

2015年7月28日

朝7時出勤でも、帰りは結局いつもと同じ。我慢するしかない!?

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 この連載、こんなとき、どうなる?「働き女子の法律相談所」(スマホはこちら)では、「こんな場合はどうなんだろう?」という、みなさんの日々の暮らしの中での素朴な疑問、質問、相談などにお答えする働き女子のための法律相談所です。

Question

 最近、“ゆう活”という朝方勤務を推奨する動きが始まっているようですが、私が勤める代理店では、毎年夏になると、サマータイム勤務といって、いつもよりも2時間早い出社を強制され、通常は9:00~18:00である就業時間も、その時期になると、7:00~16:00となります。大企業のクライアントを持っている上司や先輩は、大企業側も朝方勤務を実施しているため、やり取りをする時間に関して問題はないようですが、私の担当している中小企業は、夜遅くまで仕事をしているため、帰り時間は結局いつもと同じになってしまいます。残業代はもちろん出てはいますが、朝7時の出社に遅れてしまうと、遅刻扱いとなってしまい、正直納得がいきません。業務内容が朝方勤務に適さない場合でも、会社の方針なら従うしかないのでしょうか?(20代・女性)

 Answer

 今話題のゆう活とは、日本政府が推奨する、ワークライフバランスを実現するための朝方の出勤スタイルです。朝方勤務は業務効率もアップするため、ある企業では、5時~8時までの労働に関してはインセンティブを付けたり、8時以前に出勤した従業員に対して軽食を支給していたりするところもあるようです。では、今回の会社のサマータイム勤務の制度に法律上の問題点はあるのでしょうか。

 まず、会社の就業規則がどうなっているかを確認しましょう。就業規則に夏の一定の期間は始業時刻が朝7時~などと決められている場合には、それが契約の内容となっていると考えられますので、基本的には従わなければならないと考えられます。例えば、新聞配達の仕事をする会社に入ったところ、就業規則上の始業時刻が朝3時となっていたとしても、「朝早いから嫌だ」とは言えないのと同じような話ですね。ただ、「最近“ゆう活”なるものが流行っているそうだから我が社でもやってみよう。」といったスタンスの会社であれば、上記のような規定は無い可能性は高いと思います。ちなみに、「今の就業規則には書いていないので付け足す。」というのはNGです。就業規則の変更はそう簡単にできるものではありません。

 次に、就業規則上、始業時刻が朝9時となっており、上記のような規定がない場合です。この場合には会社は当然には朝7時の出勤を強制できないことになります。この場合、契約上の約束が朝9時となっているわけですから、従業員としては朝9時に会社に行けばいいというのが原則になるわけです。ただ、会社の就業規則には、「会社は業務上必要な場合には時間外労働を命じることができる。」といった趣旨の規定があるのが通常だと思います。こういった場合、会社としては業務上必要だから朝7時に出勤しなさいと命令することができたりします。こういったものを時間外労働命令などと呼んだりします。ただし、この時間外労働命令は無条件に有効になるわけではありません。業務上の必要性が全くないような場合には無効になりますし、仮に業務上の必要性があるとしても、その命令権行使が権利濫用に当たれば無効になります。

 今回の相談内容を前提とすれば、業務上の必要性がないと主張してみたり、業務上の必要性があると主張してみたりしてもクライアントの勤務体系を無視して一律に朝方勤務を強制することは権利濫用であると主張していくことになるでしょう。会社というものはそれ単独で活動しているわけではなく、他の会社との兼ね合いで活動しているわけですから、クライアントの勤務体系は当然考慮すべきでしょうし、結果的に残業せざるを得なくなるということであればやはりおかしい話だと思います。

 そもそも“ゆう活”というのは、日が長くなる夏に仕事を早く始めて仕事を早く終わらせ、夕方の時間を有意義に過ごすという趣旨です。それにも関わらず、始業は早く、終業は遅くでは“ゆう活”の趣旨とはだいぶ違ってきてしまいます。企業側は、労働者の意見をしっかりと聞いたうえで、勤怠時間の調整を行うことが大切ではないかと思います。

この人に聞きました
岩沙好幸
弁護士(東京弁護士会所属)
岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼い始めた。労働トラブルを解説した書籍『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)が発売中。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。アディーレ法律事務所(労働)

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