20代女性の間でお嬢様テイストの“いいコちゃん”ファッションが支持を広げている。大人女子が下手にコピーすると、違和感が生まれがちだが、アレンジ次第では生かしようがある。“イタく”見えにくい取り入れ方を、ガーリーな装いの手なずけ方が上手な主人公が登場する映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』から選り抜いてみた。
『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』はミュージカル仕立てだが、人気バンドのフロントマンが初監督を務めただけに、ポップなサウンドが心地よい。ヒロインの少女イヴ(エミリー・ブラウニング)は拒食症で入院していたが、ふとしたきっかけで出会った、ミュージシャン志望の青年ジェームズ(オリー・アレクサンデル)と一緒にバンドを組んでデビューをめざすようになる。もうひとりの少女キャシー(ハンナ・マリー)も加えて、3人組バンドとなった彼らは淡い恋心と確かな友情をはぐくみながら、音を紡いでいく――。
思春期の切なさや痛みが、抑えたトーンのストーリーでつづられる。主人公のイヴは移ろう内面を自分の装いで表現。ティーンズらしい初々しい着こなしや、ちょっと大人びた着姿を通して、自分らしさを周囲に印象づける。育ちのよさそうな着姿をベースに、気の利いたアレンジを加えてみせる。一方、奔放で大胆なところのあるキャシーもロマンティックな装いや行動的なスタイリングで若々しい魅力を振りまく。ファッションはこの映画の「4人目」の主要キャストでもある。