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サッカーは富裕層しかできないスポーツ?! アメリカ医療制度を体験して分かったこと

2015年4月3日

「良い医療は努力して働いてゲットするもの」という主張のウラ

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LA地域の病院の入り口で、駐車場専門スタッフが患者の車をバレーパーキングするサービス。

 スティーブン・ホーキング博士を題材にした映画『博士と彼女のセオリー』 (The Theory of Everything)がアカデミー賞にノミネートされ、主演男優がオスカーを手にした。

 その授賞式をTVでぼーっと観ながら、ぎょっとする記憶が蘇ってきた。

 「スティーブン・ホーキング博士」という言葉は、ある日を境に、職場の新聞社のニューズ・ルームでは禁句、つまり、タブーになったからだった。

 コトの起こりは今から5年前、ある日の新聞紙面に載った社説だった。 

 その日の社説のタイトルは「この法律が通ったら、あなたの祖母が大変なことになってしまう」というセンセーショナルなものだった。

 オバマケアの法案がまだ米国議会で可決する以前の2009年当時、下院にとあるヘルスケア改革法案が提出された。

 社説はこう論じた。

「この法案が通ってしまったら、英国のように、個人の健康度合いによってポイントが加算される点数制度に近くなり、身体が弱ってポイントを稼げない老人たちに対しては、終末ケア予算が大きく削られてしまう」。

ホーキング博士を例に出し「アメリカ一番」と謳った社説

 社説が、オバマ政権がプッシュした医療改革への批判なのは明らかで、医療費コストをカットしてきた英国の公的医療制度を「ホラー話」として引き合いに出し、こう綴っていた。

「天才科学者のスティーブン・ホーキング博士のような人が、もし英国の医療システムを利用しなければならなかったとしたら、その身体のハンディキャップから、きっと『生きる価値なし』と判断されてしまっていただろう」。

 つまり、この社説を書いた論説委員は、博士が米国の世界一進んだ医療を受けているからこそ今生きていられるのだ、と暗に主張し、「イギリスだったら博士にはチャンスがなかっただろう」と書いた。

 だが、実際、ホーキング博士は英国で生まれ、英国に住み、英国のナショナル・ヘルスサービス(NHS)を利用し、ケンブリッジ大学で教鞭を取ってきた、知の至宝みたいな英国人なのだ。

 この誤報が発覚したとき、編集部中が凍り付いた。

「うわー、な、なんてこと!」「オーマイガッ!」と誰もが頭を抱えて机に突っ伏した。

 ホーキング博士はアメリカ市民じゃないよ!・・・と。

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長野美穂
長野美穂(ながのみほ)
東京の出版社で雑誌編集記者として約9年間働いた後、渡米。ミシガン州の地元新聞社でインターン記者として働き、中絶問題の記事でミシガン・プレス・アソシエーションのフィーチャー記事賞を受賞。その後独立し、ネイティブ・アメリカンの取材などに没頭。ボストン大学を経て、イリノイ州のノースウェスタン大大学院でジャーナリズムを専攻。ミシガンでカヤック、キャンプ、クロスカントリー・スキー三昧するのが一番の楽しみ。現在は、カリフォルニア州ロサンゼルスの新聞社で記者を経て、フリーランスジャーナリストとして活動中
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