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運動前の抗酸化サプリは飲むべき? 飲まないほうがいい?

2014年12月26日

年末年始に運動をする方へ!運動効果を上げるための新常識

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活性酸素がないと運動の効果は低下する

 「25歳からのメディカル・アンチエイジング」のコーナーへようこそ。慶應義塾大学医学部教授・坪田 一男です。 「許容できるギリギリのところまでストレスを加えると、プラスの効果が出る」という考え方があります。ミズーリ大学の生化学教授トーマス・D・ラッキー博士が提唱した考え方で、「ホルミーシス仮説」と呼ばれています。「ホルミーシス仮説」とは、「人体にマイナスなものでも、全て排除してしまうよりは、少しだけあったほうが健康にプラスに働く」という理論です。

 スウェーデンの医学研究機関・カロリンスカ研究所で、これに関連する興味深い研究が行われました。

来年こそ運動を始めたいという方も必見!

 動物は運動すると、たくさんの酸素を体内に取り込んで燃やすため、体内に多くの活性酸素が発生します。活性酸素は細菌やウイルスと闘うためには必要ですが、増えすぎると細胞を傷つけたり、老化の元となりますから、運動で活性酸素がたくさんつくられてしまうのはいけない気がします。(ですよね?)なので、僕も以前は運動する前にビタミンCなどのサプリメントをしっかり飲んで、活性酸素対策バッチリで運動していました。

 しかしなんと! ラットなどの動物の研究では、抗酸化物質であるビタミンCとビタミンEを大量に与えて、運動時に発生する活性酸素を消去して、酸化ストレスがない状態にすると、ミトコンドリアの抗酸化機能が刺激されなくなり、運動を続けることで本来得られる血糖値の改善や代謝機能の向上などの効果が低下するという報告をみてびっくり。本当なのかな…とおもっていたら、カロリンスカ研究所がこれを人間で確かめました。その結果、人間も体内に活性酸素が発生しない状態で運動すると、運動の効果が低下することがわかりました。活性酸素がないと、運動効果は上がらないのです。

運動は「ちょっときつめ」がいい

 人体に有毒と考えられている活性酸素ですが、運動をすると活性酸素ができることが体にとっては重要だということがわかってきました。専門的には「酸化ストレス応答」といいますが、活性酸素が出るからこそ、これを除去するためのシステムが体の中で構築され、またそのシステムが強化されるのです。

 ですから、運動前にビタミンCやビタミンEなどの抗酸化系のサプリメントをとると、活性酸素の発生を抑えてしまうため、それに対抗する力も生まれません。運動の効果が一部失われてしまうため、運動前にこれらのサプリメントは摂らないほうがよいのです。

 アスリートがよく利用しているアミノ酸やプロテインも、摂り過ぎはかえって害をもたらします。過不足なく、適切な量を守って上手に取り入れることが大切です。

 運動による酸化ストレス(活性酸素)も、多すぎれば体が壊れてしまうけれど、抗酸化サプリメントで抑えてしまっても効果が得られません。「マイナスなものでも少しはあったほうが健康によい」という仮説を念頭に考えてみると、日頃の生活の中でも思い当たることはたくさんあるのではないでしょうか。僕たち人間にとっては「適度なストレス」が重要。運動に限らず、仕事や何か課題に向かうときでも同じことが言えます。少しの障壁や問題があるからこそ、これに対抗して「がんばる力」が生まれ、人は成長できるのです。

 そう思うと、運動もがんばれそうですね。最初はゆっくり歩くだけでもよいので、それができたら少し速く歩いてみましょう。そうしたら今度はゆっくり走ってみる、走る距離を少し伸ばしていく、というように、少しずつステップアップしていくのが効果的です。



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Profile
坪田 一男
坪田 一男(つぼた かずお)
慶應義塾大学医学部教授・慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表。1955年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。ハーバード大学留学、クリニカルフェロー修了。2000年より最先端のアンチエイジング医学を学び、医療界に積極的に導入。現在、日本抗加齢医学会理事長、日本再生医療学会理事、学会誌「アンチエイジング医学」の編集長、慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表などを務める。南青山アイクリニック手術顧問を務め、眼科専門医による安全なレーシック(近視手術)の提供・指導も行う。『ごきげんな人は10年長生きできる』(文藝春秋)など著書多数。http://www.tsubota.ne.jp/
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