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「悪口を言うと老化を早める」と言えるこれだけの理由

2014年12月16日

Facebookの実験で分かったネガティブ/ポジティブ・コンテンツが私たちに与える影響

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悪口を言うと老化を早める?

 「25歳からのメディカル・アンチエイジング」のコーナーへようこそ。慶應義塾大学医学部教授・坪田 一男です。

 みなさんは、イライラや不安などのネガティブな感情が生まれたら、どう対処していますか? たとえば好きではない人がいたとして、その場で怒りの感情を表してしまう? あとでその人の悪口や愚痴を言ってスッキリ!!する? これ、両方とも本当にスッキリすると思いますか? なんとなく後味、悪くないですか? 実は、悪口やネガティブな言葉は自分の脳にもネガティブなメッセージを伝えてしまうため、それが続くとやはりマイナスのストレスとなって、脳細胞が減ってしまう、という研究があります。

 ネガティブであれ、ポジティブであれ、感情を生み出すのは脳です。脳はストレスや不安を感じていると、コルチゾールという、いわゆるストレスホルモンが放出されてダメージを受けてしまいます。逆に、よい刺激を与えてどんどん活用することで、活発にはたらくようになります。

 英国の認知神経学者マグアイア博士が2000年に発表した研究によると、ロンドンのタクシー運転手16人を対象にMRIで脳の構造を調べたところ、彼らは一般の人たちよりも脳の海馬(記憶を司る部分)が大きいことがわかりました。しかも、ベテランになればなるほど海馬は大きくなり、神経細胞の数が増えていたのです。彼らは、ロンドン市内の2万4000もの通りや建物などを全て記憶しており、日常的に膨大な情報を収集・記憶し、それをまた活用することで脳を刺激しているのです。

 脳の神経細胞は17歳頃をピークに、毎日10万個も死んでしまうと言われ、長い間、死んでしまった神経細胞は増やせないと考えられてきました。しかし、このような研究が重ねられることによって、今では「脳の神経細胞は何歳になっても増やせる」ことが新たな常識となりました。

同じことでも面白がってやるか、イヤイヤやるかで、脳に与える影響は異なる。

 マグアイア博士は、マウスを使った興味深い研究も発表しています。マウスの大好きなハシゴや回り車などの遊び道具を入れた飼育箱と、全く入れない飼育箱に分けてそれぞれマウスを飼育したところ、前者のほうが、海馬の神経細胞の数が15%も多く、学習能力にも差が認められたというのです。

 好きなことを本当に楽しんでやるからこそ、脳は育ちます。僕たち人間も同じ。いくら「アンチエイジングに役立つ」「健康によい」からといって、イヤイヤやっていたのでは、かえってストレスになるだけなのです。まずは、好奇心をもって何事も面白がること。面白くなくても「面白い」と自分で自分の脳をだまします。すると脳はけっこう簡単にだまされて、「面白い」と感じるようになります。そして、好きなことをどんどん楽しみ、たくさん感動する。それがポジティブな感情を生む刺激となり、脳のアンチエイジングにもなる好循環につながります。他人の悪口は結局自分を老けさせるだけ! 脳にはもっとよい刺激をたくさん与えましょう。

感情や気分は伝染する

 ところで、自分はごきげんだったのに、友だちから悪口や愚痴を聞かされただけで、なんとなく嫌な気分になったことはないでしょうか?



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Profile
坪田 一男
坪田 一男(つぼた かずお)
慶應義塾大学医学部教授・慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表。1955年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。ハーバード大学留学、クリニカルフェロー修了。2000年より最先端のアンチエイジング医学を学び、医療界に積極的に導入。現在、日本抗加齢医学会理事長、日本再生医療学会理事、学会誌「アンチエイジング医学」の編集長、慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表などを務める。南青山アイクリニック手術顧問を務め、眼科専門医による安全なレーシック(近視手術)の提供・指導も行う。『ごきげんな人は10年長生きできる』(文藝春秋)など著書多数。http://www.tsubota.ne.jp/
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